8月23日にリリースされた、桑田佳祐のニューアルバム『がらくた』を購入しました。
全15曲入りで、先行してシングルリリースされた曲は、アルバムバージョンとしてアレンジされているサービス付きです。じっくり聴いていると、色んな思いや感情が脳内で湧いてきます。そこで私の拙い感想文を4回に分けて書いていきます。思いついたままに書くので、アルバムの曲順に沿って書くとは限りません。このアルバムの魅力が、ちょっとでも伝われば幸いです。
アルバムの出だしは『過ぎ去りし日々(ゴーイング・ダウン)』です。勢いのあるロックナンバーで、桑田の音楽体験を反映させたかのように、古めのロックの感じがします。元気バリバリなようでいて、「今では ONE OK ROCK 妬むジェラシー」や「無理したってしょうがないじゃない 若い時と同じようには」という歌詞に老いの境地を匂わせています。
それに続く2曲目が、NHK朝の連続テレビ小説『ひよっこ』の主題歌『若い広場』です。1曲目と一転し、昭和テイスト溢れる歌謡曲になっています。桑田が「アタシのオリジナルではありながら、偉大なる先達やご先祖様がアタシに書かせてくれたもの」(特製ブックレット「がらくた」より引用)と言うのが分かります。
この振り幅は、齢61歳になる桑田だからこそ可能であり、若手のアーティストには、まだ無理でしょう。特に昭和歌謡テイストは、リアルタイムで体験している桑田の方が圧倒的に出せます。
この昭和歌謡テイストは、シングル『君への手紙』に収録された『悪戯されて』や、『がらくた』の13曲目『Yin Yang(イヤン)』でも出しています。『Yin Yang(イヤン)』は、若い頃の和田アキ子あたりが歌いそうな曲調です。
フジテレビ系ドラマ『最高の離婚』の主題歌だったので、ミュージックビデオに尾野真千子と真木よう子が出演し、桑田とエロく絡んでいます。正直なところ、羨ましいです。
『Yin Yang』の「イヤン、おっぱい、いやん!! いやん、触っちゃイヤン!!」という林家木久扇チックなコーラスは、かなりのセクハラワードですが、桑田だと許されてしまいます。それは、過去の芸能界において「殺しのライセンス」ならぬ「セクハラのライセンス」を取得していた森繫久彌、丹波哲郎、山城新伍の域に桑田が達したことを意味します。これもまた齢61歳になる桑田の人生の年輪のようなものを感じさせるのです。
注)「セクハラのライセンス」なるものは、現実には存在しないので、いい歳こいた大人なら本気にしないでください。
「がらくた 桑田佳祐」で検索すれば……。