「野党は反対ばかりしている」という批判を、マスコミやネットでよく見聞します。本当にそうなのでしょうか。野党第一党である民進党が、平成29年通常国会で法案にどのような態度をとったのか調べてみましょう。
データはこちらにアクセスしてみてください。
政府提出法案で成立した66本中、民進党が賛成したのは52本(賛成率79%)です。
このデータは、暇な人が国会記録と照合すれば、比較的容易に真偽が判明するので、信ぴょう性が高いです。少なくとも民進党は反対ばかりしていない野党であると言えます。それでも民進党は反対ばかりする野党だという人は、与党やマスコミの印象操作に乗せられています。そんな騙されやすい性質の人は、振り込め詐欺など巧妙で悪質な詐欺にお気をつけください。
野党のうち、共産党や社民党は反対ばかりする野党と言えるでしょう。しかし、そもそも野党は反対するものではありませんか。民主党に政権交代され、下野した自民党は反対ばかりする野党になっていました。菅直人政権がTPP推進を打ち出せば、それに猛反対したのが野党時代の自民党でした。当時、稲田朋美議員は「TPPバスの終着駅は日本の墓場」とまで発言していました。ところが、政権奪取した自民党がTPP推進に転じたのは周知のとおりです。与党である民主党の政策にことごとく反対し、対抗軸を作り出していた自民党は、野党のあるべき姿を実践していました。自民党が「野党は反対ばかりしている」と批判するなら、それはブーメランになって自らの過去に返ってきます。
野党が与党に反対し、対抗軸を作り出すことで、議会政治が成立します(ベビーフェイスとヒールが対立する構図があって、プロレスが成立するのと同じです)。それが嫌だと言うならば、寡頭政治や独裁政治を志向するのが良いですね。議会制を廃止し、独裁制に移行すれば、高額な議員報酬も政党交付金も要りません。歳出削減になるので財政面でも好都合です。反対ばかりする野党が嫌なら、独裁政治を望みましょう。
反対ばかりする野党を嫌うのは、議論やディベートを苦手とする日本人の気質に基づくものでしょうか。和を以て貴しとなす、ナアナアの馴れ合い体質で長年やってきた島国ですからね。時代劇の農民が「お殿様(お代官様)の言うことに逆らっちゃならねえだ!」と言うやつです。反対すれば村八分にされるやつです。多くの民間企業でも、反対意見の出ないシャンシャン(株主)総会が慣例となっていました。ところが、国際化の波が押し寄せ、海外投資家など「もの言う株主」が参入してきたことにより、「泰平の眠りを覚ます上喜撰 たつた四杯で夜も眠れず」とばかりに混乱を生じる企業が現れています。その流れに逆行する、反対意見の出ないシャンシャン国会では、国政は泰平の眠りに入るでしょう。
現在、民進党代表選挙が行われています。9月1日に新しい代表が決まります。それによって民進党がどう変わるか、どんな野党になるかは、今後の国政の行方に影響するので、無関心というわけにはいかないですね。
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