【映画評】風の視線 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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3組の男女の複雑な関係を描くメロドラマ。1963年公開作品。監督は川頭義郎で、出演は岩下志麻、園井啓介、山内明、滝田裕介、奈良岡朋子、加藤嘉、佐田啓二、新珠三千代。
 
原作は松本清張の小説です。珍しく清張本人が小説家役で出演しています。一瞬竹中直人が物真似しているのかと我が目を疑いました。
 
若妻役の岩下志麻が可愛いです(上掲DVDジャケットに写っているのは新珠三千代)。あんな可愛らしい娘さんが、何十年も経つと『極道の妻たち』みたいに凄みのある姐さんを演じられるですから、不思議なものです。
 
青森の十三潟(十三湖)や宮城の松島の風景が映ります。『砂の器』もそうですが、映っている背景に記録映像としての価値があります。本作と同じ松竹映画の『男はつらいよ』シリーズには、昭和の日本が記録されています。
 
清張原作でありながら、登場人物が誰も殺されません。それ故、ジャンルとしてはミステリーやサスペンスに分類されません。しかし、登場人物の複雑な人間関係が徐々に明らかとなり、それが緊張感をもって交錯していく様子は、一種のミステリーやサスペンスと言えるでしょう。
 
★★☆☆☆(2017年6月30日(金)DVD鑑賞)
 
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