【森友学園問題】塚本幼稚園・副園長がこもる「鬼の部屋」
3月5日に本欄でもお伝えした、「森友学園による瑞穂の国記念小学院学校説明会」のルポはメディアの注目を浴び、筆者の元には録音データ提供の要請が多数寄せられた。無論、素材を手元に留め置く理由などない。要請に応じてそのまま各社に提供した。
同日夜に放映されたフジテレビ『ミスターサンデー』もこの音声データを利用した番組の一つ。あのデータだけでなく、フジテレビ独自取材で獲得した「塚本幼稚園の副園長である籠池夫人の講演風景」や「安倍昭恵講演会の様子」など、筆者のこれまでの取材では手に入らなかった素材をふんだんに利用した番組作りで、「さすが組織ジャーナリズム」と感嘆する出来栄えだった。
その感嘆もつかの間。番組終了後しばらくして、筆者の電話が鳴った。すでに取材でお会いしていた塚本幼稚園の元保護者からの着信だ。
「さっきの、『ミスターサンデー』観ました?」
電話の声は小さく不安げだ。放映内容に何かまずいことがあったのだろうか?
「あれ観てたら、うちの子がね、『あ、副園長先生や。なんか悪いことしたんか?』と聞いてくるんです。しかたないから、『副園長先生が、子供を叩いたりはたいたりしてるんちゃうか?ってテレビは言うてるよ。あんたもなんかされたんか?』と聞いたんです。そしたら……」
保護者は言葉を詰まらせる。了解を得て、ここから先は電話の内容を録音させてもらうことにした。保護者の証言、いや、子供の証言は続く。
「『あんたもなんかされたんか?』って聞いたら、『うん。何回も叩かれたよ』って言うんです」
この保護者の子供は、現在小学2年生。塚本幼稚園を卒園してからそろそろ3年の月日が経っている。子供の3年は大人にとってのそれに比べ、長い。久しぶりに副園長の姿をテレビで見かけて色々な記憶が蘇ってきたのだろう。親からの問いかけにこう答えた。
「うん、何回も叩かれたよ。年少さんの時とか、おもらしすると、呼ばれて、お尻ペチンペチンペチンって何回も叩くねん」
排泄に関する虐待まがいの行為は、おもらしをしたパンツがそのままカバンに入れられていたことや、園児がトイレに行かせてもらえないことなど、これまでも複数の証言が出てきた。(※前回記事参照)
だが今回のこの証言は、これまでの証言と明らかに性質が違う。これは体罰ではないか。
にわかには信じがたい証言だが、筆者はこの証言に符合する別の証言を以前にも拾っている。大阪府内の幼稚園関係者にインタビューをした際、「塚本幼稚園から転職してきた先生が『塚本幼稚園ではおもらしをした子のお尻を叩くよう指導され、それが辛くてすぐ辞めた』と面接の席で聞いたことがある」との証言を得ているのだ。保護者と別の幼稚園関係者の証言が符合するのだから、信じがたい話だが、信憑性は高いと言わざるを得ないだろう。
電話口の保護者は、反省まじりにこう証言する
「確か、年長組になった直後にも、子供からこう言う話を聞いたんです。ちゃんと問いただすと、『もう忘れたぁ』とか言うて、ごまかすんですよね。あの時、もっとちゃんと聞き質していたら、早く気付けたのに……」
もうそろ小学三年生になろうというのにこの卒園園児は、未だ排泄にプレッシャーを抱えているらしく、おねしょがまだ続いてると言う。
保護者の証言は続く
「うちの子や周りの子の話を聞いてるとね、どうも、塚本幼稚園の中には、『鬼の部屋』と子供らが呼ぶ部屋があるみたいなんですよ。悪いことしたらそこに入れられる。で、副園長と二人きりになる。で、殴られるらしんです」
インタビューの最中に、耳を塞ぎたくなるのは久しぶりだ。にわかには信じられない。信じたくない。
塚本幼稚園には「児童虐待まがい」の行為に関する噂がついて回る。さらには、副園長自身、塚本幼稚園が発行する「おかあさん新聞」のコラム欄で、自身の暴行傷害行為を自慢げに書いている痕跡もある。
あの幼稚園に様々な形で携わった人たちの証言がほぼ全て同じ内容を示唆している点や、副園長自身が書く「街中での暴行自慢」文書などを読むと、この話も、残念ながら、「おそらく、本当のことなのだろう」と結論づけざるを得ない。
もしこれが事実ならば、事態はあまりにも深刻だ。愛国だの教育勅語だの以前の話ではないか。
森友学園の籠池理事長及び理事長夫人には、本件についてのことも含めて、これまで、電話、メール、ファックスで取材を申し込んでいる。しかし、いずれも返答がない。
<文/菅野完(Twitter ID:@noiehoie)>
転載元:ハーバー・ビジネス・オンライン
【ここから私の意見】
ニュースやワイドショーを騒がす森友学園事件の関連ネタです。記事を掲載しているハーバー・ビジネス・オンラインは、安倍政権を支持する産経新聞系列の扶桑社によって運営されています。それ故、「こんなの朝日や毎日の反日左翼メディアが仕組んだデマだ!」というネトウヨ的な批判は的外れになります。
しかし、産経グループのメディアだからこそ、森友学園(塚本幼稚園)の異常性を強調することにより、世間からの批判の矛先を安倍首相から逸らす意図も裏読みできます。規模の大小やイデオロギーの左右を問わず、全てのメディアを疑ってかからなければならない時代になりました。
さて、問題の副園長の姿はネット上で晒されています(テレビではボカシが入ります)。晒される前から、副園長の奇行はネット上で話題になっていましたが、その姿を自分の想像に頼るしかありませんでした。おそらく、こんな感じかとイメージしました。

映画『ミザリー』より
あるいは、こんなイメージもしました。

『ダウンタウンのごっつええ感じ』より
どちらもクレイジーでサイコなキャラクターです(松本人志はキャシィ塚本を演じるに当たって、『ミザリー』のキャシー・ベイツの演技を参考にしたそうです)。実際の副園長は、懐かしの騒音おばさんのようなヤバい雰囲気を漂わせる姿です。
森友学園の異常性が強調されると、何故安倍首相(と昭恵夫人)はヤバい彼らと関わったのか疑問が膨らみます。法的責任は問われなくても、政治的責任は問われますね。国民が裁きを下すでしょう。そうなると、予算委員会審議中にニヤニヤしたり、逆ギレしたりして答弁する様子がテレビで放送されたのは、パフォーマンスとして逆効果かもしれません。「やはり森友学園のイカレた連中とは、お仲間なんだな」と。
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