領収書は9千円台死守 金田法相は政治資金でスナック通い
「共謀罪」を巡るズサンな答弁で大臣失格の烙印を押されている金田勝年法相。日刊ゲンダイは、金田氏の資金管理団体が政治資金で大量のアイス「ハーゲンダッツ」を購入していたことを報じたが、デタラメなカネの使い方はこれだけじゃなかった。
金田氏が代表を務める「自由民主党秋田県第二選挙区支部」の収支報告書(2012~14年分)に添付された「少額領収書」の写しを精査すると「スナック通い」がやたらと目立つのだ。
例えば12年8月3日付の〈スナック ラン〉(男鹿市)の領収書では9800円の支出。12年10月23日にも〈カラオケ広場 スナック苑〉(同)に9980円を払っている。いずれも選挙区の繁華街で、支出名目は「組織活動費」だ。1件当たりの支出が1万円以下であれば、政治資金収支報告書に具体的な支払先を明記する必要はなく、「その他の支出」にまとめて計上することができる。ギリギリ1万円に満たない金額になっているのは、公開したくない理由が何かあったのかと疑いたくなる。
不可解な支出はこれだけじゃない。「備品・消耗品費」に計上された、ラーメン店や牛丼屋の領収書もワンサカ出てくるのだ。
例えば、12年12月19日、大館市のレストラン「比内どり」で〈比内地鶏カレー〉などに計2380円、14年3月27日に、能代市のラーメン店「宝介」で2010円を支払っている。牛丼の「吉野家」の領収書(380円)も複数ある。金田事務所は、スナックの支出は「組織活動にかかる行事の打ち合わせ等に関する支出」と言い、ラーメンや牛丼は「お手伝いの対価」と答えたが、政治資金に詳しい上脇博之神戸学院大教授はこう言った。
「スナックの支出は言語道断。カラオケスナックで打ち合わせができるとは思えません。牛丼店の支出についても、仮にお手伝いの人に金銭で対価を支払った上で、さらに食事を提供したのなら、公選法に問われる可能性もあります。金田事務所の説明は不十分です」
答弁も政治資金の使い方もデタラメすぎる。
転載元:日刊ゲンダイDIGITAL
【ここから私の意見】
転載記事中にある“政治資金で大量のアイス「ハーゲンダッツ」を購入”の件については、同じ日刊ゲンダイの記事「金田法相事務所 政治資金でハーゲンダッツ“爆買い”の仰天」で詳細が分かります(安倍晋三首相の資金管理団体「晋和会」の政治資金収支報告書にガリガリ君購入代が「事務所費」で計上されていたという事実もありましたね。ここでは深入りしませんが)。
「日刊ゲンダイみたいな反日左翼タブロイド紙の記事なんて信用できるか!」と批判する人もいるでしょう。しかし、政治資金収支報告書は、税金が適切に使われているかを有権者が判断するため、情報公開請求があれば開示されて当然のものです。「関係者」や「情報筋」の談話と異なり、情報元は明確です。また、(地元住民なら知っている)店名や金額の具体性から、資料を精査したのが伝わります。デマや捏造記事だと一蹴するのは愚か者がすることです。
金田事務所は、“スナックの支出は「組織活動にかかる行事の打ち合わせ等に関する支出」”と言い、支出を正当化しようとしています。しかし、舛添要一前東京都知事は、竜宮城スパホテル三日月への家族旅行代を「会議費」で計上したことによって、世間からフルボッコに叩かれましたよ。身分の違いや支出金額の多寡を考慮したところで、金田法相が世間からハーフボッコに叩かれても不思議ではありません。
また、金田事務所が“ラーメンや牛丼は「お手伝いの対価」と答え”たのに対し、上脇教授から“仮にお手伝いの人に金銭で対価を支払った上で、さらに食事を提供したのなら、公選法に問われる可能性もあります”と指摘されています。これは、選挙に協力 した運動員に「慰労金」として政治資金の一部から現金を支払ったことにより、公職選挙法違反で逮捕された田母神俊雄と似た事例になります。事務所の金を管理できない田母神が、国家の危機管理を偉そうに論じていたのは滑稽だとしても、法律違反を犯している法務大臣というのは笑えません。
全国紙も地元紙の秋田魁新報もテレビも、この事実を報道しないので、地元秋田の有権者の大半は知りません。「オラだぢのどごろがら大臣が出だ」とウハウハ喜んでいるだけです。それでも、共謀罪法案に関する「しどろもどろ答弁」がNHKで国会中継されたことによって、大臣として、かつ国会議員としての器に疑問が生じてはいます。せめて、秋田県外の人たちから「あんなのを選んだ秋田県民はバカだ」などと言われるような醜態だけは晒さないでもらいたいです(無理か?)。
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