
大学の応援団を舞台に喧嘩にはめっぽう強いが女にはまるっきりだらしがない親衛隊隊長を主人公にしたナンセンス喜劇(映画.comより引用)。1976年公開作品。監督は曽根中生で、出演は今井均、宮下順子、香田修、深見博、伊佐山ひろ子、水原ゆう紀、安部徹、放駒清一(龍虎)。
どおくまんプロ原作漫画の実写化です。どおくまんプロの絵柄は独特すぎて、ビジュアル面での完全実写化は不可能です。もし出来たとしたら、出演者の白目率が高い作品に仕上がります。
親衛隊長の青田赤道を演じる今井均など、応援団員を演じる男優が素人っぽいです。それに対し、宮下順子、伊佐山ひろ子、水原ゆう紀など演技経験のある女優陣を起用し、バランスを取っているように見えます。
日活の硬派不良映画の系譜を遡れば、鈴木清順監督の『けんかえれじい』という名作があり、本作があって、そしてセントラル・アーツ(東映セントラル)製作の『ビー・バップ・ハイスクール』へと継承されます(これらの作品は約10年毎に作られています)。セントラル・アーツは東映の子会社ながら、元日活スタッフによって占められ、『ビー・バップ・ハイスクール』の那須博之監督も日活出身です。更に本作のアクション(技斗)監督である高瀬将敏の息子、高瀬将嗣が『ビー・バップ・ハイスクール』でアクション(技闘)監督を務めているので、リアルに継承されていると言えます。
硬派な応援団という体育会系タテ社会の象徴のような存在は、いわゆる草食系男子の増加によって、過去のものになりつつあります。本作で描かれるバカで純情な男の世界は、もはやユートピアの域にあるのかもしれません。
★★★☆☆(2016年8月23日(火)DVD鑑賞)
青田赤道の「ちゃんわちょんわ」や 「クェックェックェッ」もありますよ。