日中間の領土(領海)問題について思う | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

中国漁船と貨物船が衝突 魚釣島沖の公海

11日午前5時半ごろ、沖縄県・尖閣諸島沖で領海警備中の巡視船が、ギリシャ船籍の貨物船「ANANGEL COURAGE」(10万6726トン、23人乗り)からの遭難信号を受信した。海上保安庁の巡視船と航空機が、魚釣島沖約67キロの公海上で同船を発見した。
 
同船から事情を聴いたところ、同船がオーストラリアへ向けて航行中、14人乗りの中国漁船「ミンシンリョウ05891」と衝突したことが判明。漂流していた漁船の乗組員6人を救助したが、漁船は沈没した可能性が高いとみられる。海保によると、救助された6人のうち2人が切り傷を負っているが命に別条はないという。漁船は網を揚げる作業をしている時に、貨物船と衝突したという。6人は海保のヘリコプターで石垣島へ移送された。
 
現場海域には中国公船6隻も到着しており、海保では、中国の海難救助調整本部と連絡を取りながら、巡視船8隻と航空機1機で他の乗組員などの行方を捜索している。【米田堅持】
 
転載元:毎日新聞
 
【ここから私の意見】
 
このニュースは周知されているでしょうか。マスコミが大幅に時間を使って報じる、リオ五輪や高校野球に浮かれて、見過ごしてはいませんか。喉元すぎれば熱さ忘れるで、相模原市障害者施設殺傷事件も忘れ、天皇陛下の「お気持ち」表明も忘れてしまうのでしょうか。日本人は、そんなものかもしれません。71年前の戦争で得た歴史的教訓など、知ったことではないのでしょう。
 
中国漁船が沈没して、ネトウヨ方面では「支那ざまぁ(みろ)」という脊髄反射的な反応が多くを占めそうです。しかし、このニュースの重要点は、漂流していた漁船の乗組員を日本の海上保安庁がいち早く救助したことにあります。即ち尖閣諸島沖は日本の監視が行き届き、事故があれば緊急対応できる日本領海であることの証明になるからです。
 
中国は尖閣諸島沖も自国の領海だとして、多数の漁船を押しかけさせるという脅迫的嫌がらせをしていましたが、自国民をいち早く救助できずして何が領海でしょうか。今回の救助の遅れは、中国側にとって失態です。日本外務省の報道によれば、中国政府は日本政府に、救助について謝意を表明したとあるので、中国は今回の件を出されると、日本に対する攻撃を弱めざるを得ないということもあります。
 
さて、愛国心溢れる人たちは今回のニュースをどう扱ったでしょうか。「支那ざまぁ」と優越感に浸ってストレス解消し、それで終了でしょうか。日中間の領土(領海)問題において、日本が有利になり得る一件を、(外国語のできる人は翻訳して)ネットで拡散するという策を講じたでしょうか。
 
そして、マスコミは今回のニュースを一般国民に周知する努力をしたでしょうか。尖閣諸島沖に中国漁船が押しかけたニュースとの情報量バランスは取れていたでしょうか。嫌中感情を徒に煽るのでなく、日本の領海は日本の海上保安庁によって日夜守られ、外国人でも危機にあれば救助するという事実を理解させることが、マスコミの仕事ではないでしょうか。
 
政府は、沖縄県・尖閣諸島などの離島防衛を強化するため、新型の地対艦ミサイルを開発する方針を固め、2017年度予算の防衛省の概算要求に開発費を盛り込み、23年度頃の配備を目指すそうです(Yahoo!ニュースより)。武力に対して武力で応じる軍拡に明け暮れるより、知力を駆使した情報戦で立ち向かう方が得策だと思いますけどね。
 
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