【映画評】ロマン・ポランスキーの吸血鬼 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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いわゆるバンパイヤものを恐さだけではなく笑いで味付けしたもの(映画.comより引用)。1967年制作で、1969年日本公開作品。監督と出演はロマン・ポランスキーで、出演はジャック・マクガウラン、シャロン・テイト、アルファー・バス、ファーディ・メイン。
 
おそらく日本では無名だったポランスキー監督が、『ローズマリーの赤ちゃん』のヒットにより注目され、本作も遅れて公開されたでしょう。しかし、本作に出演し、ポランスキーの妻であったシャロン・テイトが、本作公開直前にチャーリー・マンソン率いる狂信的ヒッピー集団に惨殺されるという痛ましい事件が起こったので、期せずして曰く付き映画になってしまいました。
 
従来の吸血鬼映画のパロディであり、怖さは少ないです。『ローズマリーの赤ちゃん』の方が、直接的に怪物が出現しないにもかかわらず、もっと怖い映画です。それではコメディとしてどうかと言えば、クスッと笑える程度の出来です。何故なら、本作の登場人物は変人(ボケ)ばかりで、正常なツッコミ役が不在なので、笑いのポイントを掴みづらいからです。
 
ポランスキー監督自身が演じる、助手アルフレッドの行動にイライラします。内向的な小心者(おそらく童貞)である彼の行動が、事態を悪い方向へと導いていきます。好意的に見れば、アンチヒロイズムなのでしょうけど。
 
皮肉を効かせ、ハッピーエンドを否定したラストのモヤモヤ感は、『チャイナタウン』にも通じます。更に「世界中にバンパイアが蔓延する」という結末は、今なお作られ続ける、数多くのゾンビ映画にも通じているのです。
 
★★☆☆☆(2016年2月15日(月)DVD鑑賞)
 
本作には、珍しいゲイの吸血鬼も登場します。
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