【映画評】君よ憤怒の河を渉れ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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無実の罪を着せられた現職の検事が、執拗な刑事の追跡をかわしながら真犯人を追っていくアクション映画(映画.comより引用)。1976年公開作品。監督は佐藤純彌で、出演は高倉健、原田芳雄、池部良、中野良子、大滝秀治。
 
文化大革命後の中国で初めて公開された日本映画です。それにより中国での高倉健の知名度が上がり、後にチャン・イーモウ監督の『単騎、千里を走る。』での主演に繋がることになります。
 
ストーリーの雑さは否めません。指名手配中の主人公(高倉)が、東京→北陸→北海道と簡単に移動します。まだ現代ほど交通網が発達していない、昭和50年代の作品であるにもかかわらずです。また、主人公は検事という設定ですが、銃器の取り扱いが上手く、セスナ機の操縦までこなします。まるで『007』シリーズのジェームズ・ボンド並みのスーパーマンです。
 
要所で同じメロディが何度もBGMに流れます。おそらく『第三の男』のメロディ(別名「エビスビールのテーマ」)の使い方をイメージしたのでしょう。しかし、本作のメロディは軽快なので、シーンの緊張感を台無しにしている残念な効果を生じさせています。
 
これらの演出(脚本)を手がけた佐藤監督は、『新幹線大爆破』の成功を受け、再び高倉とタッグを組みました。しかし、独特のセンスを発揮し、後に『北京原人 Who are you?』という珍作を世に送り出す片鱗をうかがわえます。
 
それでも、『北北西に進路を取れ』や『逃亡者』と同じく、「濡れ衣の罪を晴らすために逃亡」というパターンは、サスペンス物の手堅い定番であり、且つセスナ機を飛ばしたり、都会で馬の群れを暴走させたりという大掛かりなロケもあるので、飽きさせることなく、最後まで楽しませてくれます。
 
★★★☆☆(2015年12月4日(金)テレビ鑑賞)
 
主人公を二度も襲うヒグマの「中の人」は、本田博太郎です(嘘)。
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