くまくま園、北秋田市が直営化検討 運営三セク不振で
秋田県北秋田市は、市出資の第三セクター「マタギの里観光開発」(上杉二三男社長)が運営する阿仁熊牧場「くまくま園」を、来年度から直営化することを検討している。くまくま園をはじめ市営5施設の指定管理者となっているマタギ社は慢性的な赤字経営に陥っている状況。市は「経営不振がくまくま園運営に影響を及ぼすのを防ぐとともに、同社に経営立て直しに集中させる狙いがある」としている。
マタギ社が指定管理している5施設はいずれも本年度末に指定期間が終了する。マタギ社の決算資料によると、同社は2008年度以降7年度連続で赤字を計上。累積赤字は1億7764万円に上る。
くまくま園は昨年度、リニューアルオープンの効果もあり5施設で唯一黒字を計上したが、本年度は来場者数が昨年の約2万5千人には届かず再び赤字となる可能性があるという。
市は「直営を含めあらゆる運営形態を検討し、最終的に判断する。場合によっては年度内に管理者を公募することもあり得る」と話している。
マタギ社が指定管理している5施設はいずれも本年度末に指定期間が終了する。マタギ社の決算資料によると、同社は2008年度以降7年度連続で赤字を計上。累積赤字は1億7764万円に上る。
くまくま園は昨年度、リニューアルオープンの効果もあり5施設で唯一黒字を計上したが、本年度は来場者数が昨年の約2万5千人には届かず再び赤字となる可能性があるという。
市は「直営を含めあらゆる運営形態を検討し、最終的に判断する。場合によっては年度内に管理者を公募することもあり得る」と話している。
【ここから私の意見】
“駅フロ”クウィンス森吉に続き、阿仁熊牧場「くまくま園」も経営不振が問題になっています。正確には、第三セクター「マタギの里観光開発」が経営不振で、くまくま園の経営は、それほどひどくはないようですが。
公共施設の管理運営という問題については、佐賀県武雄市、神奈川県海老名市、愛知県小牧市で、いわゆる「TSUTAYA図書館」が問題になりました。「官から民へ」の風潮に乗り、市立図書館の運営を全国でTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に委託したところ、書籍の分類や蔵書などで問題が生じ、契約関係を解消するに至ったという事件です。
図書館を黒字運営にしたいと、CCCの意見を大幅に取り入れた末路は、税金が投入された漫画喫茶です。顧客のニーズを最大限考慮し、ベストセラーや人気コミックを揃えた品揃え。それらの人気商品を、誰も読まない歴史的文献資料を廃棄した書棚に並べます。そこに文化の香りはありません。
文化は生活の余剰です。文化は無駄から生まれ、初めから利益追求して生まれるものではありません。目先の利益だけを追う愚か者には分からず、何十年、何百年と時を経ることで価値が生じるものもあります。
市財政の黒字化という目先の利益に追われ、図書館の文化的役割を蔑ろにしたことが、TSUTAYA図書館が住民の反感を買ったことの本質だと思います。
さて、くまくま園という公共施設については、どうでしょうか。市財政を潤すために利益追求する観光施設だと考えれば、黒字経営は必須目標です。より集客できるために業務改善や工夫が必要になります。しかし、くまくま園は文化施設の側面もあります。八幡平クマ牧場のヒグマを受け入れたのは、「動物愛護」という教育的見地や、「種の保存」という学術的見地から決めたのではありませんか。文化施設であれば、湯水のごとく赤字を垂れ流してはいけませんが、必ずしも黒字経営を目指さなくても良いということになります。
くまくま園直営化ということになれば、市は「くまくま園とは何か?」という根本的問題について、真剣に直面することになるでしょう。
阿仁熊牧場「くまくま園」ホームページはこちらです。
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