家入レオを復活させた名門・研音の“ゴリ押し”タイアップ術とは
シンガーソングライターの家入レオが、今年夏に放送された月9ドラマ『恋仲』(フジテレビ系)の主題歌「君がくれた夏」のスマッシュヒットにより、アーティストとして再注目を集めている。これは、所属事務所である研音の復活劇ともいえそうだ。
家入は、2012年にシングル「サブリナ」でビクターエンタテインメントよりデビューを果たし、同年に発売したファーストアルバム『LEO』は累計15万枚以上の売り上げとなった。まさに鳴り物入りといえるスタートを切った家入だったが、その後は地味な音楽性が大衆受けせず、迷走期へ突入していたという。
「セカンドシングルの『Shine』あたりは勢いもあったし、彼女の瑞々しい音楽性は同世代の女性はもちろん、中高年の音楽好きにも訴求するような憂いがありました。しかし、翌年からは徐々に売り上げが低迷していきます。その後、14年にアルバム『a boy』をリリースした後に全国ツアーを開催して、しばらく新譜のリリースが途絶えますが、この全国ツアーは実質的にはドサ回りの意味合いも強かったと思います。事務所としても、どう次の一手を打っていくか、迷いがある時期だったのではないでしょうか」(音楽業界関係者)
所属事務所の研音もまた、不調の時期だったという。
「研音はとにかくタイアップで露出を増やしてタレントの知名度を上げる戦略を得意とする事務所でしたが、09年に所属タレントの絢香と水嶋ヒロが結婚し、水嶋が同社を辞めたあたりから、うまく歯車が回らなくなっていきました。2人の結婚は多くのタイアップ業者に多大な影響を与え、翌10年にワーナーミュージック・ジャパン社長兼CEOだった吉田敬さんが自殺した事件にも、その余波があったと見る向きもあります。タイアップ戦略が“ゴリ押し”と取られることも多くなった印象です。家入がしばらくブレークできなかったのも、タイアップが不調だったから、という面もあるでしょう」(同)
しかし、15年からの家入は怒涛のタイアップ戦略を行い、結果として『恋仲』の主題歌を獲得、ヒットへとつながった。研音の黄金パターンの再来である。
「とにかく『恋仲』は内容がチャラくて、良くも悪くも大衆受けは抜群でした。そして、家入の『君がくれた夏』もまた、初期の少しとがった音楽性は微塵も感じられないほど甘ったるいバラードで、『恋仲』の世界観にピッタリだった。変にアーティストぶるよりも、素直で、彼女にはこうした路線が合っていたんだと、つくづく思いますね。研音も得意のタイアップで彼女をヒット歌手へと育てられて、万々歳でしょう」(同)
家入が、ドラマの終了とともに忘れられていく歌手にならないことを祈りたい。
(文=山下祐介)
(文=山下祐介)
転載元:日刊サイゾー
【ここから私の意見】
以前「似てる好きな顔」の記事で取り上げた家入レオですが、顔だけではなく、曲も好きです。13歳の時に聴いた尾崎豊の「15の夜」に感銘を受け、歌手を志しただけあって、どこか尖ったところがあるからです。まあ、家入は盗んだバイクで走り出しはしなかったでしょうけど。
ところで、上記の転載記事を読み、家入が尊敬し、同じ福岡県出身で同じ音楽塾ヴォイス出身のYUIのことを思い出しました。
YUIは音楽塾ヴォイスでギターと曲作りを学び、路上でのギターの弾き語りを始め、オーディションに合格した後、上京して2005年にメジャーデビューします。本来はロック志向の強い、尖ったところのある曲を作る人です。
しかし、所属事務所が多くの女優を抱えるスターダストプロモーションだったので、映画やテレビドラマのタイアップ曲を作ることが多くなります。そうすると、映画やドラマの内容に沿った曲や、耳障りのいいヒット狙いの曲を作ることを要求されます。「売れればいい」と割り切れば済む話ですが、不器用で真っ直ぐな性格だと、自分が本当にやりたいこととのギャップに悩むことになります。
2012年末にYUIは、“YUIとしての”活動休止を発表します。2013年にロックバンド「FLOWER FLOWER」のヴォーカルyuiとして活動再開し、2014年にパニック障害の診断を受けて療養に入り、2015年には一般男性と結婚し、双子の男児を出産しました。今は自分のペースで、精神的に穏やかな生活を送っているのでしょう。
家入の今後が気になります。