【映画評】高校大パニック(1976年版) | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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北九州の名門高校を舞台に、受験地獄を呪う若者達の叫びを描く(映画.comの1978年版の解説より)。1976年製作作品。監督は石井聰互(現:岳龍)で、出演は梅津正信、中村ジョー。
 
石井監督が弱冠19歳で作った自主映画デビュー作です。後に日活とのコラボレーションでリメイクされています。
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日活の1978年版では、初々しい浅野温子を見ることができます。コラボとは言え、こちらのバージョンに石井監督は、ほとんど介入していなかったそうです。何しろオリジナルは17分の短編で、それを90分ほどの全国公開商業用映画にするのですから、話を膨らます必要がありますし、ほぼ素人の若造監督に現場を仕切らせることはできないという大人の事情があったのでしょう。1978年版の監督は澤田幸弘で、脚本は神波史男です。石井監督は単なる名義貸しです。
 
それではオリジナルの評価はどうかと言うと、作品の核となる「受験戦争(体制)に対する若者の怒り」だけを抽出して、緊張感あるものに仕上がっています。1970年代後半から、大手映画会社の斜陽産業化とともに、映画会社に就職できない若い才能たちが自主映画で頭角を現してきます。その先駆として、本作は歴史的価値があります。
 
★★☆☆☆(2015年9月17日(木)DVD鑑賞)
 
1978年版に出演した泉谷しげるは、『狂い咲きサンダーロード』に音楽参加します。
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