【映画評】大アマゾンの半魚人 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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SF怪奇映画の老舗ユニヴァーサルが、ドラキュラやフランケンシュタインのようなゴシック・モンスターに代わるオリジナルのモンスター物として製作した作品。アマゾン川で水掻きのついた手形の化石が発見された。早速、現地に赴く調査隊だったが、彼らの前に姿を現したのはなんと半魚人だった。捕獲を試みる調査隊をよそに、半魚人は一行の中の女性ケイをさらって逃げるが……(Yahoo!映画より引用)。1954年公開作品。監督はジャック・アーノルドで、出演はリチャード・カールソン、ジュリー・アダムス、リチャード・デニング、アントニオ・モレノ。
 
本題に入る前に一ネタ。いつもどおり作品情報を映画.comから引用しようとしましたが・・・。
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「半漁人」!?
漁師とサラリーマンの二重生活を送っている人のことでしょうか。面白いので通報せずに放置します。
 
さて本題。本作はモンスター怪奇映画の古典です。水中から水面を泳ぐ水着美女を狙うショットや、怪物がなかなか全体像を現さない「じらし」の演出は、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』に影響を与えています。今から半世紀以上も前の作品でありながら、水中撮影のレベルが高く、水中を泳ぐ半魚人の姿は下手なCGより美しく映ります。
 
本作の半魚人は、①太古の種族の生き残りで、秘境に隠れて生活してきたこと、②地元住民に畏れられ、彼らに対しては強気な態度に出ること、③滅多にお目にかかれない美女には弱いことという特徴があります。これはキング・コング』のコングと同じ特徴です。ちょっと変更して、①社会に適応できず、引きこもって生活していること、②家族には恐れられ、内弁慶な態度に出ること、③現実には存在しない二次元美少女に萌えることとすれば、非リア充なニートと同じ特徴になるから不思議です。
 
ティム・バートン監督のフランケンウィニー』に登場する、「巨大化したシーモンキー」も本作へのオマージュです。同作には、バートン監督が少年時代に影響を受けた怪奇映画へのオマージュを多々見ることができます。そもそもメイン題材が『フランケンシュタイン』へのオマージュですから。
 
半魚人もコングも「社会から疎外された異形の存在」という点で共通します。奇怪な外見で他人を畏怖させながらも、孤独や悲哀を感じさせます。これらの怪物に自己投影し、「異形(異端)の者への愛情」を育んだバートン監督のように、私たちも半魚人に感情移入して観ることができるのです。
 
★★★☆☆(2015年7月31日(金)DVD鑑賞)
 
サンリオの「ハンギョドン」ほどではありませんけど、本作の半魚人もカワイイもんですよ。
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