【映画評】天使のはらわた 赤い淫画 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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不本意にもビニ本のモデルにされてしまい、恋人に去られ、会社も辞めさせられて堕ちていく女の姿を描く(映画.comより引用)。1981年公開作品。監督は池田敏春で、出演は泉じゅん、阿部雅彦、伊藤京子、沢木美伊子、鶴岡修。
 
天使のはらわた 赤い教室』と同じく、石井隆原作漫画の映画化で、脚本も石井です。堕ちていく女である名美(泉)と、名美に惹かれていく男である村木(阿部)の物語です。
 
村木は名美を想って自慰行為をしますが、最後まで名美と結ばれることはありません。今風に言えば、非リア充です。それに対し、名美の不倫相手の上司(鶴岡)は、名美とも妻とも性交するリア充です。非リア充の私は、村木の方に共感できます。公開当時、映画館の闇に集まった観客の多くも同じ心境だったでしょう。
 
名美の自慰シーンや、村木の妄想自慰シーンが、粘液的ヌルヌル感たっぷりで演出されています。どこかホラー映画みたいでもあります。後に日本初の本格的スプラッター・ホラー『死霊の罠』を撮る、池田監督の資質が表れています(『死霊の罠』の脚本も石井隆です)。
 
そんな濡れ場のヌルヌル感に比べ、都市(新宿)の描き方が冷たくドライです。その都市の無機質さが、人間的感情で結びつこうとする名美と村木の悲恋を際立たせる効果を生んでいます。
 
★★★☆☆(2015年6月29日(月)DVD鑑賞)
 
本作には、北見敏之や三谷昇が脇役で出演しているので、ちょっとビックリします。
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