「理解」の意味について考える | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

安保法案、衆院特別委可決…自・公の賛成多数で

 
今国会最大の焦点となっている安全保障関連法案は15日、衆院平和安全法制特別委員会(浜田靖一委員長)で採決が行われ、自民、公明両党の賛成多数で可決された。

民主、維新、共産の野党3党は反発し、採決に加わらなかった。与党は、関連法案を16日の衆院本会議で可決、参院に送付する方針だ。

特別委では、採決に先立ち、締めくくり質疑が行われた。安倍首相は答弁で、法整備の意義について「安全保障環境の変化に目をこらさないといけない。国民の命を守るために切れ目ない対応を可能とする今回の法制が必要だ」と強調。「残念ながらまだ国民の理解が進んでいる状況ではない。国民の理解が進むようにしていきたい」とも語った。

民主党の長妻昭代表代行は「国民に説明を尽くしたのか。強行採決は到底認められない」と述べ、採決の取りやめを首相に求めた。維新の党の下地幹郎氏は「世論調査をみると、充実した審議にあたらない」と審議継続を訴えた。
 
 
【ここから私の意見】
 
安倍首相は、「残念ながらまだ国民の理解が進んでいる状況ではない。国民の理解が進むようにしていきたい」と語りました。この「理解」という言葉の意味を調べてみました。
 
りかい【理解】
①物事のしくみや状況,また,その意味するところなどを論理によって判断しわかること。納得すること。のみこむこと。「内容を正しく‐する」 「‐力」
②相手の立場や気持ちをくみとること。「‐ある態度」 「相互の‐を深める」
③道理。わけ。また,道理を説いて聞かせること。「義理ある兄貴の-でも/人情本・軒並娘八丈」 →理会
④「了解」に同じ。〔同音語の「理会」は物事の道理を悟ることであるが,それに対して「理解」は物事の意味・内容をわかることをいう〕 (大辞林第三版より)
 
「理解」の意味には、物事の意味・内容を分かること、更にその意味・内容を了解することまで含まれます。安倍首相の用いる「理解」は、後者の意味でしょう。
 
しかし、それは一般的な用法でしょうか。例えば、外国人が外国語で「あなたをボコボコに殴っていいですか?」と質問してきた場合、それを「理解」したからといって、ボコボコに殴られますか。質問の意味・内容を分かることと、その意味・内容を了解することは別物です。質問を理解した上で拒絶することは可能ですし、現実社会では、それが多々あります。
 
裕福で恵まれた特権階級育ちの人間は、そうではないようです。周囲はすべて下僕扱い。お坊ちゃまの命令には、「かしこまりました」の返答しか許されず、理解は即了解を意味します。お坊ちゃまには、命令を理解した上で拒絶するという反応は、それまでの箱入り人生で考えられないものなのでしょう。
 
「国民の理解が進むようにしていきたい」とは結構なことです。国民の理解が進むほど、内容の酷さに反対の声が増えることもありますけど。それに、インターネット番組での例え話の下手糞さに見られるように、安倍首相の“痴的”なほどの説明能力では、了解以前に意味・内容を分かることすら困難かと思われます。
 
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