
疫病にかかって死んだ人間が、再び生き返って恐しい形相の怪人となり、生きた人間を喰い求めるという恐怖を描く(映画.comより引用)。1980年日本公開作品。監督はルシオ・フルチで、出演はイアン・マカロック、ティサ・ファロー、リチャード・ジョンソン、オルガ・カルラトス。
関西の飲料メーカーみたいな題名です(それはサンガリア)。原題は『ZOMBIE2』ですが、ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』(原題:『DAWN OF THE DEAD』)とは関係ありません。
ホラー映画の中で、ゾンビ映画は低予算映画向きです。例えば『エイリアン』みたいなSF系作品を作る場合、セット、衣装にエイリアンの造形と金がかかります。それに対して、ゾンビ映画の場合、舞台はセット不要の日常的光景で、ゾンビは役者に古着を着せ、青白いメイクをすれば、だいたい完了です。ゾンビの演技指導も「唸り声を上げながら、ゆっくり動く」で十分です。『キツツキと雨』で小栗旬演じる若手映画監督が撮っていたのも、ゾンビ映画でした。
本作の場合、生きながら眼球串刺しシーンや、土中から蘇ったゾンビに蛆虫うじゃうじゃメイクなど、低予算とは言えない、凝った部分もあります。しかし、おそらく『ジョーズ』に便乗したであろう、人喰い鮫VS水中ゾンビの対決や、特に必然性のないヌードシーンがあり、B級映画的なサービス精神は旺盛です。
ゾンビ出現シーンとそれ以外のシーンの緊張感にギャップがあり、ラストに「世界の終わり」感が漂っている点は、『ゾンビ』に近いものがあります。しかし、『ゾンビ』を踏襲しながら、オリジナリティを加えているので、本作は観る価値があります。
★★★☆☆(2015年6月26日(金)DVD鑑賞)
『ゾンゲリア』という紛らわしい題名のゾンビ映画もあります。
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