サザンオールスターズのアルバム『葡萄』(完全生産限定版B)を買って聴きました。
全16曲は、期待を裏切らない上出来です。この感動を誰かに伝えたいという衝動に駆られ、私なりの感想文を書きます。演奏することのできる楽器がカスタネット程度に、音楽的知識に乏しい私なので、音楽用語はうまく使えません。桑田佳祐がオフィシャルブック『葡萄白書』で、本アルバムを「様々な種類の短編集」と例えていたので、書評のような気持ちで書きます(歌詞は、各曲名をクリックすれば、sas-fan.netにリンクします)。
1曲目:アロエ
アルバムの冒頭を飾るテンポのいい曲です。歌詞よりもノリを重視しています。デビュー曲「勝手にシンドバッド」も「マンピーのG★スポット」も、歌詞の意味を深読みしたところで、何も得られません。桑田は『ただの歌詞じゃねえか、こんなもん』という著書があるほどの人です。歌詞の意味より音を楽しみましょう。前向きで元気になれる曲です。
6曲目:イヤな事だらけの世の中で
「アロエ」が歌詞よりもノリを重視する曲であるのに対し、本作は歌詞を重視したくなる曲です。サザンと言えば、日本語と英語のチャンポン歌詞というイメージが定着しています。しかし、本作の歌詞で英語は使われていません。京都を背景にした和の情緒たっぷりな歌詞です。桑田は、ソロ名義で出した「声に出して歌いたい日本文学〈Medley〉」で、文学的な文章を洋楽メロディに乗せました。その経験が本作に生かされています。若手ミュージシャンには真似できない、年輪を感じさせる仕事です。
To be continued......