【映画評】単騎、千里を走る。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

イメージ 1
 
静かな漁村で暮らす男が、長年疎遠だったひとり息子が重病で余命わずかと知って、息子が中国の俳優と交わした約束を果たすため、ひとりで中国に渡る。だが、さまざまな困難が彼を待ち受けていた(映画.comより引用)。2006年公開作品。監督はチャン・イーモウ、降旗康男で、出演は高倉健、チュー・リン、リー・ジャーミン、寺島しのぶ。
 
中国人俳優は素人同然で、健さんは中国語がほとんど分からない状況で撮影しています。かなりドキュメンタリーに近いです。言わば「健さんのウルルン滞在記」です。かつて『ゴルゴ13』で日本人キャストは自分一人という状況を経験した健さんだから、乗り切れたようなものです。『荒野の用心棒』で自分以外はイタリア人という状況を経験した、クリント・イーストウッドと同じです。
 
チャン監督の健さんファンぶりは、ストーリーからも伝わってきます。刑務所入りで家族が生き別れになるのは『幸福の黄色いハンカチ』、健さんと少年との交流は『遥かなる山の呼び声』、健さんが漁村で暮らすのは『ホタル』ですね。健さんに対するイメージが、私たち日本人と違っていません。
 
健さん演じる主人公の行動は、結局意味のないこと、馬鹿なことかもしれません。旅の途中で、周囲の人々に幾度も止めた方がいいと言われます。しかし、主人公の真っ直ぐな思いで、逆に周囲の人々を動かしていきます。馬鹿なことでも愚直にやり通す。それが、任侠映画時代から一貫した健さんの姿勢だと思うのです。
 
★★★☆☆(2015年2月27日(金)テレビ鑑賞)
 
こちらもご覧ください。
Yahoo!ブログ「多趣味で週末は多忙」http://blogs.yahoo.co.jp/hi6chan2001/34057236.html
 Yahoo!ブログ「atts1964の映像雑記」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7379295.html
 
国境を越えて伝わる、高倉健の魅力溢れる作品はこちらでお探しを
イベントバナー