【映画評】華氏451 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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レイ・ブラッドベリの原作小説を映画化し、読書が禁じられた近未来の超管理社会を舞台に、焚書係の男と本を所持していた女の心の交流を描いた。読書や本の所持が禁じられた未来。書物の捜索と焼却を仕事にするモンターグは、妻リンダと瓜二つの女性クラリスと知り合う。本に対して情熱を持つクラリスに刺激され、モンターグも禁じられた本に手を出し、その魅力にとりつかれていく。しかし、夫が読書をしていることを知ったリンダにより、モンターグは密告され……(映画.comより引用)。1967年日本公開作品。監督はフランソワ・トリュフォーで、出演はオスカー・ウェルナー、ジュリー・クリスティ、シリル・キューザック。
 
題名はマイケル・ムーア監督の『華氏911』で、内容は有川浩原作の『図書館戦争』でオマージュされるほどの名作SFです。しかし、トリュフォー監督がSF嫌いなので、衣装や美術に関し、SF的未来感は乏しいです。少し後に作られた『2001年宇宙の旅』と比較すれば、より実感します。しかし、本作のような近未来社会が、すぐそこにある危機とすれば、正解のような気もします。
 
確かに、すぐそこにある危機が描かれています。読書をせず、テレビ漬けで白痴化された主婦たちの姿は、いわゆる「B層」の情報弱者です。また、隠し図書館の蔵書に対し、愛情のない「毒舌批評」をする上司は、辛口ネットユーザーのレビューと変わりません。すぐそこにある危機というか、現代日本では既に来ている危機のようです。
 
メディア規制が進行しつつある現代でも通用する、不朽のヌーベルバーグSFです。今こそ観るべきでしょう。
 
★★★☆☆(2月27日(金)テレビ鑑賞)
 
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