ケンコバをテレビで初めて見たのは、テレビ朝日系「わらいのじかん」でした。当時、全国的には若手無名芸人だったケンコバは、「ワールドプロレスリング」の解説者、山本小鉄のモノマネを披露しました。スタジオでウケていたのは、筋肉フェチのためプロレス好きな立河宜子だけでした。
立河宜子と言えば、私は無類の筋肉好きと認識しています。TBS系深夜番組「ワンダフル」でスタジオにボディビルダーが出演した時、興奮のあまりヨダレを垂らしたのを見たからです。若い女性がドラマの演技ではなく、素でヨダレを垂らしたのを放送したのは、この立河宜子の件と、日本テレビ系「ヒルナンデス!」で水ト麻美アナウンサーが美味しそうな焼きそばを見てヨダレを垂らした件くらいのものです。
閑話休題。このケンコバのマニアックなプロレスネタが面白かったので、彼の名が私の心に刻まれました。その後、放送コードギリギリのカラッと激しい下ネタトークでケンコバは頭角を現し、テレビで見る機会が増えました。
「テレビのお笑いはつまらない」と一端の批評家気取りで物言う人がいます。しかし、お笑い芸人がテレビで披露している芸は、コンプライアンスやスポンサーの意向で去勢されたものです。言わば氷山の一角に過ぎず、その海面下には何十倍もの氷塊が隠れています。テレビ放送のない生ライブであれば、秘めたる全貌を現すでしょう。ケンコバと宮川大輔のトークライブ「あんぎゃー」は、18歳未満入場不可なので、テレビで見せられない芸を披露してくれるはずです。
ケンコバには、理不尽な規制をかいくぐる危険な綱渡り的な笑いを期待しています。昔みたいにピンクローター漫談をやって干されるという結末にならない程度に頑張ってください。