
1962年、有数な名門校を舞台に、劣等生対優等生の学園生活を描くコメディ(映画.comより引用)。1979年公開作品。監督はジョン・ランディスで、出演はジョン・ベルーシ、ティム・マシスン、ジョン・ヴァーノン。
ランディス監督は、本作の興行的成功の後、傑作『ブルース・ブラザース』によりステップアップしていきます。どちらの作品も毒のある破壊的な笑いに満ちています。食べ物を粗末にしたり、物を派手に壊したりするのは、日本のTVバラエティ番組でも見られるので、時代と国境を越える鉄板ネタと言えます。
本作と『ブルース・ブラザース』の共通点は、黒人音楽の多用にもあります。マイケル・ジャクソンのPV「スリラー」を手がけたランディス監督なので、使い方のセンスが良いです。
1960年代のアメリカは、黒人差別が根強く、本作でもそれを表すシーンがあります。その時代に白人が黒人音楽を聴いたり、歌ったりすることは、単純に楽しいからというだけでなく、反体制的な意思表示でもあるのです。
さて、コメディ演出、楽曲の有効活用、反体制的メッセージと言えば、日本にも似た作風の映画監督がいます。『のど自慢』、『ゲロッパ!』、『パッチギ!』などの井筒和幸監督は、和製ジョン・ランディスなのです(両者とも撮影中に俳優の死亡事故を起こしている点も同じなのは、笑えませんが)。それぞれの作品を見比べてみるのも面白いかもしれません。
★★★☆☆(2015年1月4日(日)DVD鑑賞)
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