ろくに調べもせず独断と偏見で書いています。
賢くなったら適宜、アップデートします。
■大昔
漢字(象形文字)の使用、鳥獣戯画の成立
源氏物語の成立、絵巻物の普及、江戸時代は浮世絵
↓
■戦前漫画
アメリカ文化、特にディズニーの影響など。
このころは日本にも著作権なんてなかった
↓
■戦後
手塚治虫「新宝島」「ロストワールド」にて
映画的手法を取り入れ、多くのフォロワーを生みだす
↓
アトム誕生
記号としての漫画が肉体を手に入れ、矛盾が生じる。
同時に、ディズニーとの和解。
アメリカとの葛藤は盛り上がって落ち着く。
↓
少年マガジン創刊。
劇画が生まれる。
「ねじ式」の成立。
↓
■高度経済成長
少年ジャンプ創刊。70年代、星飛雄馬、力石徹など、
いわゆる「アトムの命題」が継承され、繰り返されていく。
その流れの中で少年漫画が発展する。
一方赤塚不二夫、永井豪などが出てきて漫画の新境地を開拓していくが、
漫画が革新的でない大人たちに嫌われていくようになる。
一方、つげ義春らによって、また違った方向に漫画の可能性が広がっていく。
大島弓子、萩尾望都の登場。
↓
「アラベスク」という作品によって、漫画という芸術形態が、一旦完成する。
↓
「ブラック・ジャック」
肉体を手に入れた記号、という矛盾をはらんだ漫画が、
むしろ肉体となるという逆転現象が起きる。
↓
安部慎一、私小説漫画というジャンルを切り開く。
↓
70年代終わりから80年代
「カリフォルニア物語」という作品によって、少女まんがと少年漫画の壁が、
少女まんが側より取り払われる。
ルパン三世「カリオストロの城」公開。
三島由紀夫、自決。 川端康成、自決。
「限りなく透明に近いブルー」で村上龍がデビュー
大友克洋の登場。
↓
80年代、少年ジャンプの台頭。
経済状況、世の中の空気感、ファッション、サブカルチャー、音楽、ファミコンと
歩調をそろえて、たらたらとした作品が数々生み出される。
その一方で、「寄生獣」「14歳」など、時代を先取りした素晴らしい作品も
粛々と生まれる。高橋由美子も奮闘。
↓
80年代半ば、「ドラゴンボール」「BANANA FISH」連載を開始する。
スタジオジブリ、活動開始。
兵器フェチと幼女フェチの共存が社会的に容認されるようになる。
望月峯太郎の登場。
↓
■バブル崩壊
ドラえもんが国民的漫画になる。
平成元年、手塚治虫、死去。
翌年の1990年、 「クローズ」連載開始。
セーラームーンなど、ヲタク文化生まれ始める。
大友克洋「AKIRA」を発表。
↓
■90年代半ば 漫画産業の栄光と黄昏
少年ジャンプがピークに達する。
同時に強さのインフレ減少に限界が来る。
「ジョジョの奇妙な冒険」第四部開始。インフレ問題を解消する。
以後、多くのフォロワーを生む。
アッシュ・リンクス死亡。
↓
「幽☆遊☆白書」という作品によって、少女まんがと少年漫画の壁が、
少年まんが側より取り払われる。
↓
幽白に続いて、ジャンプの三本柱が次々に終わる。
「ドラゴンボール」はいわゆるアトムの命題を克服し、永遠の少年漫画であり続ける。
「スラムダンク」はドラゴンボールのようにインフレを際限なく続けるでもなく
幽白のようにぶっ壊れて終わるでもなく、良くも悪くも等身大であり続けた。
少年漫画の幅を広げたという点においてその功績は大きい。
「新世紀エヴァンゲリオン」ヲタク文化を否定し、
その焼け野原から萌えに代表される新しいヲタ文化が生まれ始める。
そんなカンブリア紀のような時代において、
岡崎京子「リバース・エッジ」ひそやかに
20世紀のサブカルチャーに終止符を打つ。
のちに幽遊白書の作者とセーラームーンの作者は結婚。
山本直樹、性と暴力によって世紀末な感じを淡々と描き続ける。
「完全自殺マニュアル」刊行。
松本大洋、「青い春」「ピンポン」や、少女漫画では「ママレードボーイ」、
いくえみ綾などが漫画の良識を守り続ける。
↓
■90年代後半~2000年代
安野モヨコ、魚喃キリコ、やまだないと、南Q太、小野塚カホリ、よしもとよしとも
などの台頭。
ヴィレッジ・バンガードの後押しもあってお洒落サブカルの土台が築かれる。
ワンピースが流行り始める。NARUTO、ブリーチなどがあとに続く。
少年漫画は貴種流浪譚から、群像劇へ。
その枠に収まり切らない天才たちは
「レベルE」「スティール・ボール・ラン」など、週刊誌から月刊誌へのシフト進む。
80年代の少年漫画の巨匠たちも、コミック・バンチに移籍。
そうした流れの中で少年ジャンプを中高女子が普通に読み始める。
腐女子の誕生、BLの普及。
「ザ・ワールド・イズ・マイン」という作品によって
漫画という芸術形態が、もう一度完成する。
その後2001年、同時多発テロ。
その直前、「最終兵器彼女」において、恋愛というジャンルが最終形態に。
これ以後、マンガは恋愛を取り扱うすべを失う。
もうどんな恋愛を描いても既存の作品の繰り返しになる。
↓
■2000年代半ば
浅野いにお、お洒落サブカルを極め、すぐに破錠する。
恋愛というジャンルは完成されたかと思いきや、
花沢健吾「ルサンチマン」にて新境地。ヲタ文化を昇華させる。
これ以後のヲタ文化は気持ち悪い回顧主義に過ぎない。
と思ったのも束の間、ラノベの後押しもあって
また新しい流れが生まれる。
「からくりサーカス」完結。少年漫画という芸術ジャンルが完成したが、
サブカルチャーの匂いがなかったため、あまり注目されなかったという皮肉。
同じ小学館にて「20世紀少年」完結。数年後、さらに大ヒット。
単純化すれば、「からくりサーカス」は漫画として終わったが
「20世紀少年」は小説、或いは映画として終わった。
漫画と、サブカルチャーとしてのマンガが明確に枝分かれしたのかもしれない。
少女まんがでは「NANA」が社会現象となる。
メンヘルが社会的に認知されるきっかけとなった。
↓
■2000年代後半
マンガ大賞などの功績で、人気漫画のジャンル細分化進む。
北斗の拳、クローズなどが商業的にスピンオフ化。
日本の著作権は新しい一歩を踏み出した。
一方でマンガがネットにアップされるようになり、ますます本が売れなくなる。
大部分のマンガは記号ですらなく、もはや単なるイラスト集になった。
韓国では漫画市場が縮小傾向。
「ブラック・ジャックによろしく」の作者、漫画業界に見切りをつけ始める。
電子書籍出版の波。
50代オーバーの少女漫画家、いよいよ脂がのってきて、
一方で「君に届け」のような王道系も未だ人気を博する。
まとめ
こうして概観すると、「このマンガがすごい」の上位に入っている作品は、
手塚治虫、山岸涼子、吉田秋生、新井英樹、冨樫義博の5人の漫画家と
「ジョジョの奇妙な冒険」「最終兵器彼女」「ルサンチマン」の3作品を
踏まえたうえで、それでも先に行こうとする意志を感じるものばかりだと気付いた。
岡崎京子と藤田和日郎の作品は孤高を保っているし、浦沢直樹は皆避けている。
浅野いにをはどうなるやら。楳図かずおは復活しないのかねえ。
井上雄彦と高橋ヒロシはどこへいくのか?山本直樹には相変わらず頑張ってほしい。
登場したのが歴史的事件だと思う漫画家ベスト20
雷禅級妖怪:手塚治虫、山岸涼子、吉田秋生 (全盛期の雷禅クラス)
特S級妖怪:新井英樹、冨樫義博、赤塚不二夫、大友克洋(煙鬼クラス)
S級妖怪:岡崎京子、荒木飛呂彦、藤田和日郎、つげ義春
安部慎一、楳図かずお(仙水クラス)
A級妖怪:山本直樹、浦沢直樹、藤子・F・不二雄
高橋しん、井上雄彦(結界を破った時の蔵馬・飛影・桑原クラス)
B級妖怪代表:花沢健吾、浅野いにお(戸愚呂兄弟)