投げれば魚が付いてきて、
巻けばヤツラにやる気を起こさせる。
使えば使うほど面白みを感じ、
そのうち使っている本人がメチャメチャ釣りが上手くなる。
夢みたいな話。
限界を超える可能性を秘めた
一つの樹脂のかたまり
これは、そんなルアーの幕開け前夜からの歴史の物語。
メバルは1gのジグヘッドにピンテールワームで狙うべき・・・
が、広く行き渡り浸透してきたころの話。
私は、多い時は週に5日はメバリングに通っていた。
毎週末過ごすポイントで
ひたすら同じ事を繰り返す。
ここでは、3月を過ぎた頃から
ストラクチャー依存が強い
いわゆる待ち伏せタイプのメバルに切り替わることは既に把握していた。
毎回、テトラの平行引きで4~50匹のメバルを釣りまくる。
飽きないの?
と思われそうだが、
数を釣ると見える事がある。
ピックアップ寸前に圧倒的にバイトが多いのだ。
なんで???
最初はレンジを外しているのかと思い、
キャスト直後にリーリングを開始してみたが結果は同じ。
この疑問に直面した私は、
メバルと言う魚を深く理解する為に、あらゆる角度から考察してみた。
そこで一つの理論にたどり着く。
同じようなバイトが出る
シーバスの捕食の映像と照らし合わせて考える。
「下顎の長い魚は、浮き上がる物に極端な反応を見せる。」
つまり、
任意のポジションで
極端な浮き上がりを
意図的に作り出すことが出来るルアーがあれば・・・
潮目、シモリ、ウィードの切れ目・・・
近寄らせてからのライジング・・・
この、大胆なオリジナルコンセプトを掲げ
メバル用のプラグを創造することとなる。
「滑らかなライジングアクションでメバルの捕食トリガーを引かせる」
という明確な想いを胸に
ひとりのメバル馬鹿の向こう見ずな挑戦は始まった。