観劇予定 『神[GOTT]』 | Dolphin’s Holiday

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観劇予定の舞台の情報です

 

 

劇団SETの永田耕一さんが出演する舞台

 

ワンツーワークス#40 シリーズ「命を見つめる」①

 

『神[GOTT]』が

 

7月19日(金)から7月28日(日)の日程で上演されます

 

 

 

 

ワンツーワークス#40

シリーズ「命を見つめる」①

神[GOTT]

 

2024年7月19日(金)~28日(日)

下北沢・駅前劇場

作:フェルディナント・フォン・シーラッハ
訳:酒寄進一(『神』東京創元社刊)
演出:古城十忍

 

 

人は、人生最期の時を自分で決められる?
決めていいのか?
究極の問いに、「真っ向勝負の激論」が
戦わされる緊迫のドラマ。

 

「さて、そろそろだわね……」

あらかじめ決めていた時刻が近づいてきて、ゆっくりとソファに座る。長年愛用してきたソファはいつ身体を預けてもゆったりとした安らぎを与えてくれる。周りには家族、親しい友人たちがやさしい顔で見守ってくれている。みんなの視線が注がれるなか少し気恥ずかしそうに、手にしたグラスの水で薬を飲んだ。控えめに流れる音楽が心地いい。娘が白い花束を胸元に手渡し、夫が隣のソファに座ってそっと右手を握りしめる。微笑みを浮かべて夫の手を握り返し、静かにゆっくりと、その人は両の瞼を閉じた……。

いつだったか、テレビで観たドキュメンタリーの映像は、実際に行われた「安楽死」に至る様子をことさら何かを煽るでもなく、誇張するでもなく、ただ目の前の出来事を淡々と映していました。

私は驚きました。そこには耐えがたい痛みに苦しむ様子も、「その瞬間」を見守るしかない周囲の人々の抑えきれない喚きや慟哭も、何ひとつなかったからです。どこまでも「穏やか」。そう、ただ、ただ穏やかに、「生から死へと渡っていく」。それは観ていて拍子抜けしてしまうほどに、もの静かなイベントでした。

私の両親は、どちらも壮絶なほどに苦しみ抜いて死んだので(母親のときは医師に「お母さん、心臓がお強いんですね。心臓が弱ってしまうまで、もう少し時間がかかると思います」と言われた)、父も母も「安楽死」という選択があったなら、もう少し自分の人生を慈しんで振り返りながら眠るように逝けたのかもしれない、父と母の最期がそうしたものであったなら、私の「死に対する考え方」も大きく変わっていたのかもしれない。そんなことを考えたりしました。

ところで皆さん、以下の国々には「ある共通点」があるのですが、それが何なのかわかりますか?

「オランダ/ベルギー/ルクセンブルク/オーストラリア/ニュージーランド/スペイン/カナダ連邦」

……どうでしょう? わかりましたか?

実はこれ、「積極的安楽死」「医師による自殺幇助」、そのどちらの安楽死も容認している国々です。

「積極的安楽死」とは、致死薬を注射などで医師が投与して命を絶つ方法のことで、医師が致死薬を処方はするが服用は患者自身で行う方法は「医師による自殺幇助」として区別されています。

つまり、死に至らしめる最後の行為(投与 or 服用)を行うのが医師なのか患者本人なのか、それだけの違いではあるんですが、考え方によってそこには大きな壁がそびえ立っていて、そのどちらかだけなら容認するという国もあるんです。

例えば、「積極的安楽死のみ」を認めている国には、コロンビア、カナダ(ケベック州)などがあり、「医師による自殺幇助のみ」を認めている国には、スイス、イタリア、オーストリア、アメリカ(ワシントン州、カリフォルニア州、ハワイ州ほか)などが挙げられます。いずれにせよ、ここまで名前を挙げた国であれば今現在、安楽死という手段を合法的に選択できる、ということになります。もちろん、日本ではどちらも認められていません。

また「消極的安楽死」とは、生命維持(延命)のための治療を中止する、あるいは行わないことで、これは日本でも要件を満たせば容認されていて、一般的に「尊厳死」と呼ばれています。延命は行わないが、あくまで「自然死を待つ」というスタンスですね。

話は変わるようですが、この1-3月期に放送された連続ドラマ『春になったら』(フジテレビ)では、木梨憲武が演じた「父」が末期癌で余命3カ月と宣告されるものの、延命治療は一切行わない道を選ぶ、という物語でした。つまりこれは消極的安楽死(尊厳死)を描いたドラマでもあったわけです。

私はこのドラマを毎週欠かさず観ていましたが、全体的にハートウォーミングに描かれていたため、私としては「いやいや、もっと苦しむだろうよ」とツッコミを入れたくなる場面も少なくなく、どんなに痛み苦しもうとも延命治療を拒否し続ける「父」が意志の強すぎる「鉄人」のようにも見えたりして、最終回までにこの尊厳死はどんな変遷をたどることになるのか、その描き方がずいぶんと気になったものです。

今回上演する『神[GOTT]』はチラシにもある通り、「安楽死をどう捉えるのか」、換言すれば「命の最期をどう見つめるのか」といったことを観客の皆さんも一緒になって考える舞台になっています。

「ということは、小難しい舞台なのか?」と思われるかもしれませんが、はい、その通りです。とっかえひっかえ、さまざまな立場の専門家が小難しいことも含めて自分の考えを主張しまくります。

ですが私はこの戯曲を読んでいて、その小難しい主張の先に、またその奥にある、人間の持つ弱さや強さ、ずる賢さ、はたまた揺るぎない信念のようなものまでがズシズシ伝わってきて、激しく心を何度も揺さぶられました。戦わされるその激論に「めちゃくちゃ興奮した」と言っても過言ではないです。

もちろん私が味わった興奮を皆さんに届けるには、俳優に「確かな腕」があることは必須です。つまり、出演者全員が完全に当人になりきって説得力ある主張を戦わせてくれるほどに、この戯曲の高揚感は増すのです。そこで今回はこれまで何度も一緒に作品をつくってきた、私が信頼を置く俳優ばかりに集まってもらいました。これで面白くならないはずがない。どうぞ、演劇の醍醐味を存分にご堪能ください。

2024年5月10日 古城十忍

 

◆出演◆

奥村洋治

関谷美香子

永田耕一

みとべ千希己

みゅんふぁ

鈴木弘秋

小山萌子

藤敏也

 

◆スタッフ◆

美術:礒田ヒロシ

照明:磯野眞也

音響:黒澤靖博

舞台監督:尾崎裕

衣裳:友好まり子

宣伝イラスト:古川タク

制作:藤川けい子

演出助手:日置なお

舞監助手:小山広寿

衣裳助手:増田 和

大道具:伊藤幸夫 イトウ舞台工房

小道具:高津装飾美術/原田佳世子/田邉かおり

宣伝デザイン:西英一

スチール:富岡甲之

舞台写真:黒木朋子

HP制作:吉田淳一

制作協力:J-Stage Navi/平田愛奈

 

マネージメント協力:

エンパシィ

スーパー・エキセントリック・シアター

SORIFA

TMエンタテインメント

文学座

(以上50音順)

 

ワンツーエンジェル:

徳永義博

武井高之

小笠原由季恵

伊勢崎健

大塚順一

髙宮香枝

天野真希

森田茂伸

小野実

菊池悦子

関建二郎

谷山浩一郎

本坂剛

torima

てん子

ぽんちゃん

マリリン

ほか匿名の方々

 

製作:(株)オフィス ワン・ツー

 
◆日程◆
2024年7月19日(金)~28日(日)
19(金) 19:00①
20(土) 14:00②★
21(日) 14:00③
22(月) 19:00④★
23(火) 19:00⑤★
24(水) 14:00⑥/19:00⑦
25(木) 19:00⑧★
26(金) 14:00⑨/19:00⑩
27(土) 14:00⑪
28(日) 14:00⑫
※受付開始および当日券販売開始は開演の1時間前、開場は30分前です。

※開演時間を過ぎてからのご来場は、指定のお席にご案内できない場合があります。

 

★:アフターイベントあります!

20(土) スペシャル対談①「尊厳死の現状」

[出演]長尾和宏(医師)× 古城十忍

ゲストの医師・長尾和宏さんは、外来診療から在宅医療まで、「人を診る」総合診療を目指す「長尾クリニック」(兵庫県尼崎市)の院長。また、「日本尊厳死協会」の副理事長も務めており、終末期医療・在宅ケアに詳しい。
2019年に終末期医療をテーマにした『死に顔ピース』を上演した時にもご登壇願い、「在宅死に希望はあるのか?」を念頭に、「死ぬことの難しさ」について解説してもらったが、今回はさらにディープな「死ぬことの難しさ」が聞けるはず。2022年、国内で死亡した日本人は年間156万人余りで過去最多。2040年には約167万人に達する見込みだという。今や「多死社会」とまで呼ばれている、超高齢化社会ニッポン。果たして、安楽死の行く先はいったいどうなっていくのだろうか。
※長尾氏のホームページ→ http://www.drnagao.com/

 

22(月) スペシャル対談②「ドイツ演劇の今」

[出演]酒寄進一(ドイツ文学者・翻訳家)× 古城十忍

ドイツ文学者でもあるゲストの酒寄進一さんは、ドイツの劇作家シーラッハの翻訳にかけては間違いなく第一人者。シーラッハの作品は、2012年「本屋大賞」翻訳小説部門第1位に選ばれた『犯罪』、『神』の前に発表された、これまた観客全員が「被告は有罪か?無罪か?」を投票する観客参加型の裁判劇『テロ』の翻訳も手掛けています。こうした野心的とも言えるシーラッハの作品群はドイツではどのように受け止められているのでしょう。「ドイツ演劇」と言えば、古き良きヨーロッパの伝統的作品を大胆に、時に挑発的に現代化する試みが精力的に行われている印象が強いですが、コロナ禍を経た今、ドイツ演劇はどこに視野を置いているのか、メインストリームはどういったものなのか。近年の動向を踏まえながら酒寄さんに存分に語っていただきます。

 

23(火) 出演者トーク①「役と私」

[出演]みとべ千希己 × みょんふぁ × 鈴木弘秋 × 奥村洋治

芝居本編で、みとべさんは「委員長」、みょんふぁさんは「掛かり付け医」、鈴木さんは「法学者」として討論会に臨みます。奥村は安楽死希望者の「代理人」です。もちろん私同様、皆さん、初めて経験する役でしょう。どうでした? 自殺について日頃考えてることあります? まさか自殺希望の人います? え? この芝居を通じて死にたくなったなんてよしてくださいよ。
で、どう役づくりしました? 自分の経験はどの程度役立ちました? まったくすべて想像で? 聞きたいことは次々沸き起こります。でも、お気楽には口にできない難問。おのおのどう向き合ったのか。この際、本音で存分に語ってもらいましょう。俳優としての腕にかけてつくりあげた今回のキャラクター。さあ、どうでした? 逃がしませんよ。逃げ腰の奥村が言うのもなんですけどね。(文責:奥村洋治)

 

25(木) 出演者トーク②「演じる心構え」

[出演]小山萌子 × 永田耕一 × 関谷美香子 × 奥村洋治

ワンツーワークスとしてもなかなかデリケートなテーマに挑む今作。そして観客参加型という新しい挑戦。客席も含めて劇場すべてが演じる空間に含まれる……いわば「お客様すべてが共演者」。こうした状況は、俳優にとって普段と違う感覚があるはず。また、「討論会」という設定による、会話とは違う台詞の難しさ、キャラクターづくりの難しさ。一般的な会話劇とは一線を画すこの作品に俳優としてどんな「心構え」で挑んでいったのか? 演じることを通して「安楽死の是非」の捉え方にどんな変化があったのか? 秘めたる思いや稽古場裏話、共演者・演出家に物申したいことも、余すところなくどんどん吐き出していただきましょう! 本編さながらの熱弁合戦になるのか、ほのぼのとしたお茶会トークで終わるのか、終演後の「討論会」にもぜひご参加ください!

 

◆劇場◆

下北沢・駅前劇場

〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-11-8 TAROビル3F

TEL:03-3414-0019

《アクセス》

「下北沢駅」小田急線東口・京王井の頭線中央口より徒歩1分

 

◆チケット料金◆

(全席指定・税込)

前売:4,900円

当日:5,200円

U30:3,000円(前売・当日とも)

U18:2,500円(前売・当日とも)

初日割:4,000円(前売のみ)

ペア割:1枚 4,600円(前売のみ)

リピーターチケット:3,900円(公演終了後のロビーで販売)

※「U30][U18]チケットは劇団のみの取り扱いです。当日受付にて証明証をご提示ください。

※「初日割」は7月19日(金)19:00の回のみ、前売りのみの料金です。

※「リピーターチケット」は公演期間中の各回、終演後に劇場ロビーにて販売します。

※10歳未満の児童はご入場いただけません。

 

◆チケット取り扱い◆

●チケットぴあ

WEB予約:https://w.pia.jp/t/onetwo-works/

●カンフェティ

WEB予約:https://confetti-web.com/@/onetwo-w40

電話予約:0120-240-540(平日10:00~18:00)

●チケミー

WEB予約:https://bit.ly/4ehwTCS

●ワンツーワークス

電話予約:03-5929-9130(平日12:00~18:00)

 

◆チケットに関するお問い合わせ◆

ワンツーワークス

〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南1-8-3 佐保会東京会館101
TEL:03-5929-9130
FAX:03-5929-9131
mail:onetwoworksinfotemp@yahoo.co.jp