術後2日目 極限状態 | DIVAKIへの日々〜ドイツ在住劇場専属オペラ歌手 辻井亜季穂の日記

DIVAKIへの日々〜ドイツ在住劇場専属オペラ歌手 辻井亜季穂の日記

DIVAを夢見て大修行!!ソプラノ辻井亜季穂の、ときどき日記!
ドイツ在住オペラ歌手の日常生活のあれこれを綴っています。
最近は、 去年の夏に経験した病気についてまとめ中。
多くの方の、ご自身の健康を考え直す機会になりますように。

9月2日水曜日 7時15分起床

病院の朝は早い!

前日と同様、看護婦さんが元気よく入ってきて、文字通り叩き起こされます。

掛け布団と衣服をはぎ取られ、背中を拭いてくれて、ベッドのシーツ交換が済んだら、今日は自分で体を拭くように温かいタオルを渡されます。

新しい病衣(病衣も検査着も手術着も全部同じ。ちなみにサイズもあるみたいだけど、私はどれをきてもブカブカ。)を着せてもらってから、歯磨き。

まだ長時間立ち上がれない私のために、ベッドまで歯ブラシを持ってきてくださいます。

あ、忘れてた!1日分お薬も、この朝一番に配られます。後は検温、血圧検査。血栓予防の注射。

あとは、便意ありましたか?の質問。これらがだいたい、毎朝のルーティン。

昨夜、便意ありました。書き忘れ。

 

今日は、右腹のドレーンの入口が痛む・・・

右手の点滴も相変わらず痛い。ものすっごく痛い。

 

午後8時30分頃 朝食

写真はないけれど、今日は朝もパンとチーズとハム、そしてヨーグルト。

バナナとか、リンゴとか食べたいのになー。新鮮な野菜も。

そういうのは、まだ内臓に堪えるのでだめ、とのこと。でも、ハムはいいの?ルールがわからん。

おいしくなくても、飲み物はやはりルーティンなのでコーヒー。昨日よりは飲めたのは、少し回復してるから?!

翌日のメニューを選んで、終わり。野菜が食べたいと伝えました。諦めが悪い。

 

今日はロべちゃんがオーディションなので、必死で祈る。祈るしかできない。

でも、本当に参っているのがわかるので、心配。応援メッセージを送る、今日は私がパワーを送る番なのだ。

で、送った写真がこれ。

 

 

 

全然パワー感じないね。苦笑。 目がしんどそう。

このピンクのうんちのぬいぐるみは、ロべちゃんがお祭りで取ってくれたもの。笑い泣き

寂しくないように持ってきたけれど、これが枕替わりになって、とっても助かった照れ

 

 

午後12時15分 昼食

野菜が食べたい。フルーツが食べたい・・・そんな今日のランチはこちら!!!

 

 

 

 

じゃじゃーーーーーーん。

いろんな意味でドイツっぽい。

 

入院当日からまともに食べてなくて限界が来ていたので、このランチは久しぶりに食欲も出たし、ちゃんと食べてる感じがして、嬉しかった照れ 相変わらずガスの圧迫がきつくて長時間は座れないけれど、それでも頑張って完食!食い意地!笑。

 

午後6時 

オーディションを終えたロべちゃんは、遠いオーディション先からベルリンへ向かってくれていると連絡が来ました。めちゃくちゃ嬉しい。

今はコロナのため、訪問時間は午後2時から7時まで、患者1人につき、訪問者1人まで、というルールだったので、どんなに急いでも今日はもう病院には来られないのに、少しでも近くに、そして明日すぐに行かれるように、と。

 

四六時中爆発しそうな手首の痛みに、体内に残ったガスによる上半身の何とも言えない痛み、座ることさえ容易にできず、立ち上がればフラフラ。一人で何もできないこと自分への落胆、さらに、初めての入院生活のせいか、海外でこれらを経験しているからか、時折襲い掛かってくる孤独感で、悲しくて、寂しくて、絶望的な私は今までの人生史上いっちばん弱っていました。だから、ロべちゃんのこの気持ちが嬉しくて泣いた。彼は疲れているはずやのにかわいそうに。ただありがとうとしか言えないのがもどかしい。可能なら今すぐ会いたい。そして・・・お母さんにも会いたい・・・ショボーン

 

この日の夕食も、パンとハムとチーズ。前回のブログにも書いたと思うけれど・・・本当に心身が弱ってるときに、パンとハムには食欲は出ない。好みの問題?なんでやろ。でも何も食べないのはよくないので、1枚だけは頑張って食べました。あと、ヨーグルトね。笑。これは食べれる。

 

痛みと自分で何もできない悲しい気持ちにあまりにも疲れたのと、早く寝れば早く明日になってロべちゃんに会えるというので、午後9時30分には寝ました。

 

毎晩夜中には、看護婦さんが点滴交換に来てくれます。

手首の血管針の位置が悪いのか、血管が細いせいか、点滴を交換すると毎回最初は入っていかなくて、通すための液体?を注射器で強く押し込まれるのが、めっっっっちゃくちゃ痛いの。もうね、ほんっというに痛いの。

この点滴の位置、めちゃくちゃ痛いんですけど・・・と何度も訴えてるけど、もうすぐ点滴外れるはずだから、あと少しの我慢です。の一点張り。

この夜は特に精神的に極限状態で、毎回毎回言ってるんですが、これ何とかなりませんか?本当に痛すぎて頭おかしくなりそう・・・と、泣きだしてしまう始末。

その看護婦さんは優しくて、刺さっている針の角度を調整してくれて、痛みは嘘のように消えました。

大丈夫だよー。ゆっくり寝てね。かわいそうに、辛かったね。あとちょっと頑張ろうねと。夜勤で大変なこんなに優しい看護婦さんを、泣いて困らせて、また自己嫌悪。感情が忙しい。ショボーン

 

すでに疲れ切っていました・・・

なんでこんな思いせなあかんの。手術する前の癌の私より、手術した後の今の私の方が病人みたいやんか。

 

つづく・・・