イタリアに滞在中、大学のとある先生からメールが届き
急ではあるが、8月20日にある大切な仕事を受けてくれないか、とのこと。
内容は、、、
日本の東北地方で津波の被害が一番大きかった地域の学校から学生が招待されてくるので
その学生たちのために、日本の曲を歌ってほしい、とのこと。
もちろん喜んでと、お返事させていただき、ピアニストさんも決まり、
期日が迫りすぎているため、イタリアから戻ってから大慌てでプログラムを決めて提出。
ばっちり!と思っていた矢先、その先生から電話。
"残念なお知らせがある。ピアノがないらしい。
だから、ピアニストとデュエットを歌ってくれないか。"
"WAAAAAAAAAAAAAAAAS???"はぁあああああああああ???
いやいや、無理でしょう。
ピアニストさんが、電子ピアノを貸してくださる方を探しだし
最悪の事態は免れたのですが、先生!それは無理でしょう!!!
さすがヨーロッパ。信じられない提案でした。
それに、このコンサートは、
先生が想像していた以上に大切なコンサートだったのです。。。
場所は、ドレスデンにある、ザクセン州財務省内。
牡鹿中学校から、数名の学生さんが2週間ほど招待されて、ドイツに滞在していたようです。
2002年のドレスデンの洪水の際に、日本が助けてくれた。
その恩返しとして、何かできることをしたい。と思い
今回の津波の被害に遭われた生徒さんを招待しようと思った、と、ザクセン州首相。
在ドイツ日本国大使館閣下もいらっしゃる中、
牡鹿の生徒さんたちは、ソーランを披露してくださいました。
生徒さんの3月11日のお話を聞き
心が疼き、涙が溢れました。
私たちの出番はそのあと。
少しだけれど、何か心に伝われば、、、、と
祈りと希望を込めて、歌わせていただきました。
むこうむこう
荒城の月
Nachtlied(夜の歌)
からたちの花
花
Bist du bei mir(あなたがそばに居れば)
の、6曲。
ドイツ語の曲は、歌詞の日本語訳を朗読してから。
小さいけれど、音楽のプレゼントを、、、と思って演奏させていただいたのに
私たちが、花束をちょうだいしてしまい、恐縮。。
どたばたしていたけれど、この日、ここで歌わせていただけてよかった。
2011年3月11日のこと。
絶対に忘れてはいけない。
川のむこうに見える、手前の大きな建物で歌いました。
ザクセン州官房。
感謝。
Akiho