練習のし過ぎは己を滅ぼす | 【声の調律師】が教える”音大卒じゃなくてもコンクール上位になれる『発声』の秘密”

【声の調律師】が教える”音大卒じゃなくてもコンクール上位になれる『発声』の秘密”

元・『高音の出ないこもり声』がたった2年ちょっとで数々のコンクール受賞を果たし、ペルー大統領夫人の御前で演奏させて頂けるまでになった【世界で通用する芯のある豊かな声】の作り方をご紹介


声を変えるだけで人生が変わる!

"理想のわたし"になる

声楽ボイスレッスン

引き寄せボイスプロデューサー
樹 茉央(いつき まお)です音譜







今から10数年前、

まだ独身の頃のこと

幼なじみのM君と二人で飲んだことが。

M君は、アメリカでプロゴルファーとして

活動していたのですが、

怪我が原因で現役を引退し

日本でゴルフインストラクターとして

プロの育成をしていた。





そんないきさつちっとも知らず

それより何より二人で飲むなんてこと

突拍子もなく決めた。

お互いの家が歩いて1分の距離だから(笑)

地元のお店に飲みに行った。





何十年かのブランクを埋めるかのように

色んな話をした。

その中で一番印象深く、

今も私の心に刻まれた話。






M君がアメリカで

プロゴルファーをしていたある日、

仲間と共に練習をしていたそう。

ところが、この日に限って

パターが全く決まらない。

すぐ目の前にホールがあるのに

何度挑戦しても入らないのだという。

「なんでだ?」

「そんなはずはない」

「絶対入れてやる!」

そんな思いで、気付けば何時間も

そこで奮闘したのだという。

仲間から、

「今日はもう諦めろ」

「そういう時もある」

「それ以上続けると後悔するぞ」

と、止められたのに、

M君は諦められずに続けた。






結果、パターは入ることなく

彼は膝を故障させてしまった。

まさか、このパターが

彼のプロゴルファー人生の

幕を閉じさせる結果になるとは...






まだ声楽を始めて発声に悩んでいた私に

「練習はし過ぎたらダメなんだ」

「上手くいかない日は諦めることだ」

「そうでなければ俺みたいなことになる」

大好きなM君。

小さい頃からM君も、

M君のお姉さんたちも

本当に大好きで憧れの存在だった。

そんな人に経験談からこのような話を

してもらったら

いくら私が頑固であろうと聞きますよ。







あの地元飲みの後、

もう一度だけ彼の隠れ家に

一緒に飲みに行ったけど

それが彼と会話をした最後。

私は電撃結婚しちゃって

ずっと気になっていたけれど

ちゃんと報告も出来ずに

パッと結婚しちゃったから。





しかし、2012年に彼は事故で亡くなった。






ニュースにもなったんじゃないかな。

早朝、母から電話で聞いて

号泣しながら出勤した。

仕事終わってからすぐに

彼の家に行った。

そこには物を語らない彼が

布団に寝ていた。

冷たくなって。





この日のことは色んなことがあって

ブログにはとても書けないけど

彼が私のことをいつまでも

小さな妹のように思ってくれてたことが

分かった。





今夜、ふと彼のことを思い出した。

彼の教えをあれから10年守っている。

何度やっても上手くいかない日、

何度もあったけど

その度に彼の言葉を思い出して

スッパリ諦めることにしている。






思い出したのも何かあるのかも。

思い出せば涙が出る。

故人を思うこと。

忘れないこと。

これが供養なのだろうか。