投稿ずっとサボってました、、。まっ、特にどおってことない日々だったので何の変化もありませんが、、。

 

さてさて、4月末にNHKでドラマスペシャルで広重ぶるうという歌川広重の伝記ドラマをやっていた。録画しておいたのだがすっかり忘れていて見過ごしていた。

おそらく頭の片隅に広重が刷り込まれていたのか、熱海のMOA美術館で広重展をやっているのが目に留まって美術好きの長男がたまたま帰省していたのでふたりで観に行った。

 

広重といえば東海道五十三次が有名であるが、コレ全て錦絵という版画。版画というと白黒だが、多数の色を乗せて何回かに分けて刷るので錦絵、、要するにカラーの版画というわけ。

 

この全ての版画が現在の写真と比較しながら熱海で見られる。そして、録画リストでたまたま見つけたドラマ広重ぶるうを昨日観た。この東海道五十三次ができてヒットするまでの経緯が演じられていて、美術館で全て観た直後だけに感慨深くとても感動した。

 

ビジネス的にもとても面白い。絵師の話と事業全く関連なさそうだが、この広重のヒットには沢山のヒントがある。

 

錦絵を世に出すだけでもこれだけの人が関わる。

 

絵師、絵師の弟子、版元、刷り師、彫り師、、、そして、発案、企画、マーケティング、宣伝なども必要

 

今風に置き換えると

 

クリエイター、技術スタッフ、出版会社、印刷会社、その下請け会社、広告代理店、、などなど。

これらをクリアして江戸時代に時代を先取りて五十三次をプロ意識とセンスでヒットさせたのだから感動もの。

 

実は当時無名の火消し役人の広重がいかにしてヒットしたか、、広重って元消防署職員だった、、。

版元の旦那に言われる、、広重師匠、、あんたは慎ましい生活を送っているつまんないお人、、それを同じような慎ましくつまんないその辺の人に売る絵なんだから実際に見て感動した面白かった事を描ききゃどうですか、、!

 

これが強風で頭の傘が転がっていくのを慌てて追いかける旅人のシーンとか、茶屋の片隅で喧嘩しているシーン、子犬が戯れてるシーン、、

元々宿場町の名所の絵を注文されたのだからこんなギャグ絵はいらないのだが、静止した風景画にこのシーンが入るだけで絵がグッと生きてくる、、、広重の絵に自然や温かみ、季節感が感じられるのはこういう事なのだ。

 

MOA美術館

https://www.moaart.or.jp/events/hiroshige2-0/

 

NHK 広重ぶるう

 

 

 
■広重ぶるう   原作 梶よう子
 
描きたいんだ、江戸の空を、深くて艶やかなこの「藍色」で――。
武家に生まれた歌川広重は絵師を志すが、人気を博していたのは葛飾北斎や歌川国貞だった。一方、広重の美人画や役者絵は、色気がない、似ていないと酷評ばかり。絵は売れず、金もなく、鳴かず飛ばずの貧乏暮らし。それでも、絵を描くしかないと切歯扼腕するなかで、広重が出会ったのは、舶来の高価な顔料「ベロ藍」だった……。『東海道五拾三次』や『名所江戸百景』を描き、ゴッホを魅了した〈日本の広重〉になるまでの、意地と涙の人生を描く傑作。新田次郎文学賞受賞作。