「必修」対策(英語)・「禁忌肢」対策 | 天上界 Great Materia University 総合医学部 総合医学科学科 医師養成コース(※歯科医師も併合)

必修対策(英語)

医師というものは、必ず、英語で医療を実践できなければならない。
なぜなら、患者は、生まれを問わず何人(なにじん)でも来るからである。
それを拒むことは許されない(肌の色が黒くても白くても髪の色が黒色でも金髪でも「同じ人間だから」(平等の権利〔=適切な診療を受ける権利〕の保持者だから)である)。
よって、医道の実践のためには国際共用語である
英語の修得は不可欠である。
相互に支え合い共通の問題解決に取り組む連帯の国際社会であるからこそ、1人1人にとっても医学英語修得の必要性は益々高まっていく。
医学の文化交流の一環ともなり、学問の発展を推進するものになるだろう。
しかし、英語ができるからといって医学英語ができるわけではない。
医学英語ができるようになるためには、
英語の医学書・問題集を買ってきて、
普段から英語で医学を勉強していくことである。
英語ができれば日本語でもできるので、
むしろ、始めから英語で
医学を学んでいくことをここでは勧める。

英語(医学)の勉強の仕方はシンプルである。
コツコツと医学書を読み、
分からない所を基本書(英語)で調べ
何度も間違える所は
英語でノートに付記し、
実習等の隙間時間に読み返す作業をまめに
日々繰り返すことである。
これにより、
1つ1つ苦手な頻出論点を習熟していけば
貴様が英語でつまづく頻度は徐々に少なくなっていく。
これを6年繰り返せば、周りとの差がついていて、
必修医学英語で困ることはないはずだが
くれぐれも試験に合格するために学問を志すのではなく
将来医師として、各自がどのような医業を行っているのかを想像して
その姿にまい進していくべきである。
その未来の姿のイメージが、
平凡な医師であれば、貴様には価値はなかったのだし、
偉業をなしているのであれば、そこに向かう努力は大きなものになる。
5年後・10年後の各自の姿を見て、今取り組むべきことは何なのかを知ることである。

そこで、著者が勧める
参考書・問題集を書いておく。

PLAB対策用

『PLABkeys』
イギリスの医学生に人気。
日本の『イヤーノート』に相当する参考書で、重要なトピックを網羅している。

『PLABABLE』
オンライン問題集で、全2500問の問題を提供している。

USMLE対策用

『UWorld』
医学をはじめとするさまざまな分野の試験対策資料。
医師国家試験(USMLE)、看護師国家試験(NCLEX)、法学試験(Bar Exam)など、高度な試験に向けた問題集や模擬試験。
https://www.uworld.com/

『UWorld Qbank』
実際の臨床シナリオでの基礎科学概念の確認や問題解決能力の向上に役立つクリニカル・クエスチョンバンク。
https://medical.uworld.com/clinical-qbank/
各科のダウンロードリンク
https://medicalstudyzone.com/uworld-usmle-step-1-qbank-complete-questions-pdf-free-download/

『First Aid for the USMLE Step1』
医師国家試験での出題確率の高い問題を網羅しており、試験の全体像を理解するのに役立つ。

『BRS Behavioral Science』
USMLE Step1のブロックのひとつである行動科学の参考書。行動科学は精神科や公衆衛生、医療倫理などを包括した学問であり、このブロックで失敗する奴が多いため、しっかり勉強しておく必要がある。

『USMLE-Rx』
難易度が低いオンライン問題集。問題に慣れることができる。
https://usmle-rx.com/

これらで基礎固め~臨床での問題解決への応用につなげていくことができる
現在の世界最高水準の医学教育学習書。これらで85~90%の正答率のキープを目指せば、日本の医師国家試験では全く学習しなくても75%以上を取得することができる。

今回は何問か
オリジナルの必修問題を用意したので
今の各自が臨床でどれだけ通用するレベルなのか
実力の確認をしていくといい。


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医師国家試験-臨床-必修(オリジナル問題)



解説

患者は日本語が話せないと書いてある。

医師としては英語での医療面接が必要となる。

 

英語に慣れていない医学生はいないはずである。

なぜなら、大学受験で英語の試験で合格しているはずだからだ。

本問の英語は難しいものではないので、

英語を日本語だと思って

普段通りに解いていけば正解が得られるだろう。

 

そうすると、

最近4キロ体重が減ったということが書いてあり、代謝異常をやや疑う。

次に、最近過度の口渇と多尿があると書いてある(thirst and frequent urination)。

そこで、糖尿病の場合、血糖値が200mg/dlを超える辺りから、口渇・多飲・多尿が現れてくるから、

糖尿病の検査として

aかcかという所で
blood glucoseの方が直接的な検査になるので、cが答えとなる。

a(urinalysis)では、しばしば尿蛋白や尿糖の上昇が見られるが、非特異的所見であるので、「最も」有効とはいえない。

問題文では「最も」有用な検査を問うているので、cが答えとなる。

 

答えc

 

 

歯科医師にとっても患者の全身疾患の把握は

大切な内容になり、

この問題は

よくある問題だから

とりあげた。

 

TOEICの練習をしていれば、

こういう問題文はオフィスで仕事をしている問題で

メールを打ったり電話で話す問題などで見かけるが

このレベルと同じレベルの医学英語の問題である。

 

 

医師国家試験-臨床-必修(オリジナル問題)

解説

どうも風邪様の症状が(色々と)書いてある。

1年前に帯状疱疹に罹患。

複数の同性愛パートナーとの性交渉歴がある。

そして、最後にケルニッヒ徴候があると書いてあるから髄膜炎を疑うのだが

ここまででHIV感染症を疑ってほしいという趣旨の文章だから

HIV感染症に合併しやすい

Cyptococcus Neoformans、結核菌、梅毒トレポネーマなどの病原菌の感染の可能性を疑う。

 

そこまで推理した上で、選択肢を見ていくと

a HIV 「Anti」「dody」というと「抗」「体」のことだし、「anti」「gen」はHIV「抗」「原」のことだから、これらの同時測定を行うと書いてあるから〇の検査になる。

 

bは脳脊髄液検査と書いてあるのだが、腰椎穿刺をして行うこの検査は、髄膜炎の確定診断のための有用な検査であるから、〇。

 

c リアルタイムPCRasayというのは、リアルタイムPCR法のことだが、HIV-1の核酸を増殖させてRNAをリアルタイムで好感度で観察したいと書いてあるから、一般的検査法なので〇。感染の早期発見に役立つがHIV-2の検出はできない(遺伝子構造が違うため〔PCR法で検出するためのプライマーやプローブが違う〕同時に検出するのは難しい)。HIV-2は他の方法で検出しよう。

 

d magneticと書いてある-graphyなので、磁気共鳴で撮影する法と書いてあるが、MRA(磁気共鳴血管造影法)は、感染には関係ないと思うので×。たぶん、問題文に「hedache(頭痛)」と書いてあるので、そこしか読めなかった阿呆な学生用に設置した選択肢だろうが、くも膜下出血や脳動脈奇形とかの脳血管系に起因する頭痛だったら、病変の評価のために、これを〇にして使おうと思うが、今回は遠すぎて関係ないだろうな。個人的には何でもやったらいいと思うが、保健医療制度なので。

 

e 選択肢にはクリプトコッカスの抗原検査と書いてあるがクリプトコッカス脳髄膜炎を診断するための検査だから、今回は〇だろう。

 

よって、下記の理由

1.dが一番問題文の示す状況からは距離感が遠いかなと思われるので、dが×。

2.問題文の並びから、HIV、髄膜炎、HIV、髄膜炎の感染検査法が来ているので、1つだけ血管造影というのは、感染を調べる本問の趣旨からは外れているので、dが×。

から、dが×となる。

 

よって、答えはd。

 

 

医師国家試験-臨床-必修(オリジナル問題)

解説

簡単な問題だった。

医学部・歯学部2年生くらいなら解ける問題だが、これくらいは1年生に入る前の3月くらいには解けてほしい。

 

Chief Complaintというと主訴。

主訴は、外性器病変。

 

陰茎に潰瘍があって、

2年前に淋菌性尿道炎があったと。

結構Hしたのだと書いてある。Social Historyというと生活歴のことだが、医師はここまでずけずけ聞くのだが、4人の女と2人の男と性行為をしたのだと書いてある。

それが気になるから書いてある。

 

両側鼠径部に可動性で圧痛を伴わない1.5㎝×1㎝のリンパ節腫脹があるのだと。

 

で、腹側に病変があるが、潰瘍であり、硬結だと書いてあるから、

これで決定だな。

 

そこで、選択肢をざっと上から流し読みしていくと

syphilis(梅毒)という所に目がひっかかる。

c syphilis が答え。

 

問題は、こういうふうに解いていくわけだ。

 

では、これは何期所見かも答えてみろ。

 

2期だと脱毛症があるのだが、本問では脱毛症状はないと書いてあるから

1期梅毒の所見なのだ。

 

このように、症状と検査法がわかっていれば、早期発見に役立つ。

 

 

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禁忌肢をいくつかとりあげる。

 

医師国家試験は、歯科医師もそうだが、何が出題されるか分からない中で

禁忌肢を選ぶと不合格になるので、

問題文はよく読んで禁忌肢をチェックする必要がある。

 

今回は、

注意したい禁忌肢をとりあげる。

 

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大症状「発熱・筋強剛・CKの上昇」

問題文でこれを見たらどう思う?

 

小症状「頻脈・血圧異常・頻呼吸・意識変容・発汗・白血球増加」

問題文でこれも見たらどう思う?

 

「抗精神薬・抗うつ薬・こうパーキンソン病薬・制吐剤」

問題文でこのキーワードを見たらどう思う?

 

「消炎剤と抗菌薬を処方して帰宅させる」

それとも

「処方されていた薬と同じ薬を処方して帰宅させる」

のだろうか?

 

これは精神科救急の問題だが、

「大症状3つ、または大症状2つ+小症状4つ」

が成立すると

確定診断は、「悪性症候群」

となるために、

「帰宅」させると「禁忌」となる。

なぜなら、もっとも重篤なものであり、放置すると死に至るものであるため、

常に念頭に入れて診療にあたる必要がある。

上の2つの処置は、よく起こりそうな禁忌の処置なので気をつけておくように。

初期段階であれば、帰宅させずに早期に治療を開始すれば後遺症を残さず回復させることが可能である。

治療としては、早期に入院治療となり、原因薬物を中止したうえ、ダントロレン(骨格筋のリアノジン受容体に結合して興奮収縮連関を抑制し、細胞内遊離カルシウム濃度を低下させる筋弛緩薬)を投与し、全身の冷却、輸液等の全身管理を行う。

 

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では、次は

インスリンというものについて

禁忌を見てみよう。

 

「糖尿病患者の意識消失」を見た場合、

「直ちにインスリンを投与する」という選択は正しいのだろうか?

 

では、なぜ、それがいけないことだといえるのか、この場面に直面して論述できるだろうか?

やってみてほしい。

できなければ、ここで訓練する必要がある。

 

「糖尿病患者の意識消失の場合、

経口血糖低下薬やインスリンによる低血糖発作

の可能性がある。

よって、高血糖によるものと診断するまでは、

インスリンを投与しては、ならない。」

これが〇になる論述である。

 

では、インスリンによくある間違いとして、

これは看護師も注意しておきたいが、

「妊娠糖尿病」の場合「経口血糖降下薬」を投与することは、〇になるのだろうか?

 

実は、これは禁忌なのだが、

禁忌になる理由を説明できるだろうか?

 

理由は、

「経口血糖降下薬は、胎盤を通過して、胎児に移行し、

胎児奇形、

胎児発育遅延、

胎児死亡

の原因となるため、

妊婦への投与は禁忌となる。」

とここまで論述できれば、〇となる。

 

常に論述で答える癖を身につけるように。

医師国家試験のテストでは〇×が多いが、

普段の学習においては〇×式を解ける訓練をするのではなく、

論文式の訓練をするように。

 

結論を答える場合、

「AだからBになり、BだからCになり、CだからDになる。

よって、答えは、Dである。」

という形が論述となる。

 

このAの情報を書いているものが問題文である。

しかし、見るべき答えはAではなく、

各選択肢には、Dあたりが書かれているので

論理によって、Dという結論を容易に見つけられるようにするためには、

普段から

「A→B→C→D」とすぐに先の展開が見える訓練を積み重ね

すぐに見えるようにしておく必要がある。

しかし、これには、反論も予想される。

反論とは反証の試みであるが、

反証が成立した場合、仮説は無効になってしまうため、

反論の試みも各パターンで議論させ、

論理上の真理を見出す必要がある。

普段からこの思考を習慣にしておけば、棋力も上がるし、

日常に潜む他の落とし穴も発見でき、罠にひっかからないようになるだろう。

 

また、実体法上の義務から、

医師は全分野を診るものであるから、

全分野で専門医を目指す学習に励む必要がある。

泣き言は言ってはいられないのが

医師を目指す者の使命である。

 

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では、ここまでの講義でも教えてきた内容の1つで

死亡リスクが高い高カリウム血症における

心電図の読み方を教える。

 

高カリウム血症時の心電図変化は

まだ問われていないので

今後問われる可能性がある。

 

・6~7mEq/Lにおいては

テント状T波

 

・7~8mEq/Lにおいては

PQ間隔延長、P波の平坦化、ST低下

 

・8~9mEq/Lでは

QRS幅増大

 

・9~mEq/Lは、

サインカーブ様パターン、心室頻拍、心室細動

 

どうしてこうなるのかも、

論述できる必要がある。

高カリウム血症のメカニズムから考えれば、

ある程度の推理ができる。

高カリウム血症による心電図変化は、

カリウム(K)の異常な増加が心臓の刺激伝導系に影響を及ぼすことに着目する必要がある。

細胞内外のカリウム濃度差が減少し、心筋の興奮が不規則になることが、大きな視点から見た場合の共通事項になる。

細胞内のカリウム濃度が高いと、心臓の収縮が正常に行われず、心停止に至る危険性が高まるため、注意して推理の練習をしていく必要がある。

では、この大きな視点から、各場合においての微細な条件の違いを踏まえて推理していく。

 

小論文:高カリウム血症の心電図変化について

 

背景
高カリウム血症は、血清カリウム値が正常範囲を超える状態であり、臨床的に重大な問題となる。

心電図変化は、高カリウム血症の診断と管理において重要な指標であるから、

以下では、心電図変化のメカニズムについて探求していく。
 

1.テント状T波(6~7mEq/L)
高カリウム血症では、心筋の興奮からの回復時間が短くなり、QT間隔が短縮する。

その結果、特徴的なテント状のT波が心電図上に現れるということになるだろう。

 

※この段階では、T波の形状が正常とは異なることに特に注意を要する。

 

2.PQ間隔延長、P波の平坦化、ST低下(7~8mEq/L)
高カリウム血症により、心臓の刺激伝導が遅くなり、PQ間隔が延長する。

同じ理由から、P波が平坦化し、STセグメントが低下することも観察される。

 

3.QRS幅増大(8~9mEq/L)

高カリウム血症では、細胞内のカリウム濃度が増加するため、心筋の興奮伝導が遅くなる。

この段階では、QRS複合波の幅が広がり、変形したQRS波(サインカーブ状QRS波)が現れます。

 

4.サインカーブ様パターン、心室頻拍、心室細動(9mEq/L以上)
カリウムが細胞内から外に移動できず、細胞内の電位が低下する。

この状態では、心臓の興奮が起こらず、心室頻拍や心室細動、最悪の場合は、心停止に至る。

 

高カリウム血症は重大な状態であり、血清カリウム値が7.0mEq/L以上になると心停止の危険性が高まるため、

この変化が読めるように注意して理解をし、

適切な対応を行うことが必要がある。


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では、高カリウム血症の心電図変化を教えたので、

次は、高カリウム血症の禁忌の論点

 

「塩化カリウム」と「急速静注」

これら2つのワードが組み合わさったとき

洞房結節の興奮電動が乱れ、

不整脈や心停止の原因になる。

 

 

このように論述をしていくことは

医学を体系的に理解をしていくことにつながる。

医師国家試験の問題は、

問題文には、答えを書いていないことが多く、

その多くは論述を問うている問題である。

この問題の間違いの選択肢には、反論的な論述が書かれているため、

この間違いの論理に騙されずに

真理を見出す論理学上の技術が

医師に問われていることが

国家試験に表れている。

よって、普段の学習では、

体系的医学の

一貫した論理の構築に努めることが

国家試験で偽説に騙されないことにつながり、

そのスキルは、医師となった後

臨床現場で役立つことになる。

多くの患者を救命することは、

それだけ多くの患者を診療することになるが、

多くの患者の診療する程、

誤診のリスクが高まっていく。

医師として1つの間違いは、

患者の死亡という

重大な結果を招いてしまい、

患者が死亡した場合、

業務上過失致死(現刑法211条)に問われるので、

医療に尽くす者は、

より一層の理論の構築に努める必要がある。

本講義は、この一助となるために、

作成された。

 

全ての禁忌肢情報を本講義に盛り込む紙幅はないが、

各自、臨床に応用するにあたり、

自身の医療水準を向上し、

もって、福祉ある社会を築いていくように。

 

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「消化管穿孔」+「造影剤検査」=禁忌

 

論理

消化管穿孔時に造影剤検査をすると

バリウムが腹腔内に漏れる。

バリウムが腹腔内に漏れれば、重篤なバリウム腹膜炎になることがある。

よって、

「消化管穿孔」+「造影剤検査」=禁忌

となる。

 

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次の禁忌は

 

医師国家試験

116E2

の選択肢bから出題

 

「b 診療の内容を患者の実名を含めてSNSに投稿した。」

 

これは刑法の問題として出題された。

刑法134条「守秘義務違反」となり、刑事罰としての禁忌になる。

 

よって、生体の変化だけを見ればよいものではなく、

法律の禁忌も知っておかなければならないので、

法律上、日常業務で犯しやすい医師の禁忌を紹介していく。

 

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「正当な理由なしに」+「診断書の交付を拒否する」=禁忌

理由:医師法19条に、診断書の交付は、正当な理由なしに拒否することはできないと書かれているためである。

 

過ちの理由も理解できていなければ、

記憶が忘却したときに、過ちに誘導される危険性が増すため、

理由を理解しておく必要がある。

 

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「患者の検体」+「無断利用する」=禁忌

 

理由:ヘルシンキ宣言には、

検体利用を含むヒトを対象とする医学研究には、

対象者のインフォームド・コンセントが必要であり、患者の同意なしに検体を研究に用いてはならない

と定められているためである。

 

このように守らなければならない法は、

国内法だけでなく

国際慣習的医の倫理が

法源として用いられる可能性がある。

 

なぜなら、

これは、世界医師会(WMA)によって作成された一連の倫理であり、

世界の多くの医師に共通の観念である倫理原則は

各国の立法又はその適用・解釈に

影響を与える可能性があるためである。

 

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「遺伝子疾患がある患者」+「無断で」+「家計調査」=禁忌

 

理由:

個人情報保護法第18条には、

「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。」

と定められているため、

この場合、個人情報保護法第18条違反となるため。

 

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では、一般家庭でもよくある問題対策として、

ここまでの講義から医師国家試験の禁忌問題を出題するから、

ここまでの講義の理解度のチェックとしてチャレンジしろ。

 

 

医師国家試験

113E48~49
次の文を読み、48、49の問いに答えよ。

23歳の男性。陰茎の潰瘍を主訴に来院した。

現病歴:1週間前に陰茎に潰瘍が出現し、次第に拡大するため受診した。潰瘍部に疼痛はない。頻尿や排尿時痛もない。

既往歴:14歳時に肺炎球菌性肺炎。アンピシリン/スルバクタム投与後に血圧低下と全身の皮疹を認めた。

生活歴:喫煙は20本/日を3年間。飲酒は機会飲酒。不特定多数の相手と性交渉がある。

現 症:意識は清明。身長170cm。体重74kg。体温36.3℃。脈拍80/分、整。血圧128/68mmHg。呼吸数12/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察に異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。陰茎に潰瘍を認める。

検査所見:赤沈32mm/1時間。血液所見:赤血球418万、Hb 13.3g/dL、Ht 42%、白血球9,900(桿状核好中球14%、分葉核好中球66%、好酸球2%、好塩基球3%、単球9%、リンパ球6%)、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白7.6g/dL、アルブミン4.2g/dL、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 105mEq/L。免疫血清学所見:CRP 3.2mg/dL、抗HIV抗体スクリーニング検査陰性、尿中クラミジア抗原陰性、RPR 32倍(基準1倍未満)、TPHA 80倍未満(基準80倍未満)。

潰瘍部の写真を別に示す。
「性的活動性の高い若年男性の陰茎冠状溝に潰瘍ができている写真だが、

アメーバはくそサイトなので、消されるだろうから、省略するが、排膿は認めてない。」


E48
適切な抗菌薬はどれか。

 

a セフェム系
b キノロン系
c ペニシリン系
d カルバペネム系
e テトラサイクリン系
 

 

E49
1か月後にトレポネーマ抗体値の上昇を認めた。

今後の治療効果判定に最も有用な検査はどれか。

a CRP
b RPR
c TPHA
d 赤沈
e 白血球数

 

 

解説113E48

英語の問題でも出したように、

まず、

これが一期梅毒だという診断が、

できないと講義の習得度が低いのだが、

問題文を読んで

陰部潰瘍があるとか

アンピシリンを服用しているとか、

沢山の人とHしたとか、

白血球が9900で、()内を見ると左方移動している。

 

基礎論点として

桿状核球(Band Neutrophils)と分葉核球(Segmented Neutrophils)を覚えておかないといけないぞ。

血液中に送られて間もない未熟な好中球は、核が桿状(棒状)をしており、桿状核球(Band Neutrophils)と呼ばれる。

成熟していると、核が分葉している特徴があるから、成熟している好中球は、分葉核球(Segmented Neutrophils)という。

かし、血液中に送られて間もない未熟な好中球は、核が桿状(棒状)をしており、桿状核球(Band Neutrophils)と呼ばれる。

 

更に基礎論として、

好中球 (Neutrophil) は、白血球の一種で、外部から侵入してきたウイルスや細菌を食べて(貧食作用)殺す(殺菌作用)役割を果たしている。

好中球は、骨髄で成熟し、血液中に送られる。

 

好中球の検査値は、

白血球分画として表される。

感染症になると、桿状核球の割合が増加し、1

5%を越えると左方移動と呼ばれる。

 

以下は好中球の基準値だ。

好中球 (Neut): 40~60%
桿状核球 (Stab): 2~10%(QBの場合2~15%)
分葉核球 (Seg): 40~70%

 

分からなかったらバカだから、

ここまで確認しておけ。

QBのどの本にも「覚えないといけない基準値一覧」にこれらが全部書いてあるのだからな。

 

次に

RPR法とTPHP法が書いてあるから

これらは梅毒検査の話だな。

2つセットで検査するものだが、

TPHP(TP抗原法)では陽性にならないものを検出するためにRPR法を実施するのだが、

今回、TPHPで陰性だが、

RPRで80倍以上の陽性反応が出ている。

 

写真を見ると

男性性器で亀頭がむきだしになっているものだが

医師はこれを見ないといけない訳で

梅毒一期病変の硬性下疳と診断できる。

 

ここで、

aを選択すると禁忌だというのは、前の講義で教えただろ。

ペニシリンは第一選択だが、

アンピシリンは語尾が同じだからペニシリンだと分かるようになっているが、

皮疹が全身に出現して、血圧も低下しているのだから、講義通りだろ。

その場合は、セフェム系も

同じβラクタム構造を持っているから

禁忌になるのだぞ。

 

cも同じ理由で禁忌だな。

 

dも同じ理由で禁忌だな。

カルバペネム系も

βラクタム構造を持っているからである。

 

そうしたら、教わった公式通り

bが答えなのではないのかと

医学部に行っていない素人の一般人読者は思うかもしれないが、

そんな単純な試験ではないのだ。

今の歯科医師の一般問題なら〇になる可能性があるかもしれないが、

医師は、これでも当然の当然のレベルなのだ。

 

キノロン系は、

梅毒には使えない。

理由は、

梅毒トレポネーマへの感受性が低いためである。

その理由は、

キノロン系抗菌薬は、

DNAジャイレース酵素を阻害することで細菌の増殖を抑制するが、

梅毒トレポネーマは、

この機序に対して耐性を持っているためである。

よって、梅毒にニューキノロン系を使う治療法は確立されていない。

よって、梅毒にニューキノロン系を使うという選択肢(b)は誤りとなる。

 

e 普通は、医学部生又は歯学部生であれば、ペニシリンアレルギーがあれば、

eのテトラサイクリンだと即答できるのだが、

説明もしていくと、ここまで長々と書いたら、

問題文を上から丁寧に下まで読むのに

受験生だったら早い人で1秒もかからないと思うが、

ゆっくり読んでも3秒くらい、

熟読で5秒くらいかと思うが、

読み切れないなら、患者のことだから

15秒かけても1分かけても分かるまで読めばいいし、

それで合格しないなら、

規定の採用レベルに達していないから

無茶をして合格を目指さずに

次の年に再チャレンジすることが

医師としての適切な対応である。

 

よって、cが〇だが

この問題で、ペニシリンアレルギーのある患者への

第2選択薬としてテトラサイクリンを覚えておくように。

 

 

解説113E49

これもめちゃくちゃ簡単なのだが、

解説で教えた通りbだな。

分からなくても、問題文に(基準1倍未満)と書いてあるから、

回答に知識がいらないし、国語の問題だ。

よって、国語力で解けるし、

この問題ですら解けなかった奴は、

相当阿呆だぞ。

仕事は何をやっているのだ?

どうせ責任ある管理者的なポジションには就かされてないだろう。

そんなミスする奴には、コンビニ強盗相手くらいしかできないんじゃないか。

人を傷つけてもいい仕事くらいしか。

 

何のために問題文で検査をしているのだ?

bかcかと分かって、

bだけでも分かるし

cははじかれているし、より一層答えは浮き彫りにされている。

 

一応他の選択肢も解説をするが

aでは梅毒かはわからないな。こういうのを非特異的マーカーだというのだぞ。では、何のマーカーかというとCRPは「非特異的炎症マーカー」というのだ。

dでは梅毒は分からない。これでピンとくるのは炎症だと炎症(感染症)の所で教えたよな。医科だと骨髄炎などの治療効果判定で使うのだとすぐピンとこないとダメなのだぞ。

eも、これでは梅毒は分からんな。

 

これらは非特異的マーカーだから×だという話だ。

 

よって、答えはb。

 

答えb

 

 

 

 

 

 

 

 

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最後に著者から一言アドバイス

「Rome was not built in a day.」
とは、ローマ帝国が繁栄するまでには約七百年もの歳月と長い苦難の歴史があったという英語のことわざだが、大事業や偉大な成果は一日で達成されるものではなく、時間と努力が必要だという意味だ。
この「ローマは一日にして成らず」という言葉の通り
学問に王道は無い。
こと医学においてはそれは如実に現れている。
普段の学習においては、都度立ち止まって考える習慣をつけなければ、
専門にはなれない。
医師として専門家になるには
全ての科を1つのものとして捉える終着的な学習法が必要となる。
このため全容の理解を基礎医学で行い
発展性ある回答を常に目指していくように
学習に専念しろ。
途中であやふやな所があっても、面倒臭がって飛ばさずに
理解できるまで調べる習慣をつけなければ、
そこに潜む間違いを土台にして築いた建築物は、
後で倒壊することになるだろう。

著者(俺)は、
この言葉によって、
学問と医学における重要な教訓を示している。
時間と努力によって基礎を築き、
発展性のある回答を目指す姿勢を強調している。
途中であやふやな部分を調べる習慣を持ち、
しっかりと理解することで、
後で倒壊することのない堅固な問題解決能力を築いていけ。
その癖は、他のことでも活きてきて
毎日を失敗しないものへと変えていくだろう。