決算が近づき、一度ゆっくり今期の振り返りをしたかったので、クライアント様の仕事終わりに合わせて訪問しました。
業績は、今年から始めた広告宣伝が功を奏し、前年に比べて増収増益が見込まれます。
ただ、例年よりも利益が出るとわかると、そこからはご自身の考える節税策のオンパレード。
これはどう?
あれはダメですか?
最初のうちは黙って聞いていたのですが、
だんだんと内容がブラックな方にエスカレートしていきます。
全体的な印象として、クライアント様の考えるプランでは、今の事業の規模に見合わず、この好況が続くともわからない今の段階では、どれも賛同できるものではありませんでした。
中には、お客様の勘違いも見受けられました。
クライアント様が一通り話終えた後に、こうした私の見解をお伝えすると、
今度は、知り合いの経営者を引き合いに出しての話になりました。
知り合いはそれでうまくやっている(らしい)。
自分のところでもできる(はず)。
聞いた話であるため、推測で話している部分が多く、正直このままではラチがあきません。
「お言葉ですが、それはあくまで他人のことですよね?
実際にそうしているかもわからないですし。
仮に本当だとしても、それは明らかな"クロ"です。
結果的に税務署にバレてないだけであって、同じことをしてはいけません。」
これで、諦めてくれると思ったのですが、まだお話されたそうな感じだったので、奥の手。
クライアント様の今の規模や状況に合っていて、かつ、クライアント様が好みそうで、しかもホワイトな節税策をお伝えしたところ、
それはいいね。
と、目を輝かせて喜んでいました。
我々税理士にとって、クライアント様はお客様には違いありませんが、絶対に成功して欲しいパートナーです。
そんなクライアント様が道を外れそうになった時に、いけないことはいけないと叱ってあげるのも、我々税理士にしかできない役割なのです。