平成29年4月の消費税率10%への引き上げの際に導入する軽減税率制度に関して、国税庁より「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」が公開されました。
注目される軽減税率の対象品目である「飲食料品」に定義についても明示され、他との線引きについても、具体例を交えて解説されています。
今回はQ&Aの中から、私なりに気になったものをいくつかピックアップしましたので、ご紹介いたします。
【問7】
水の販売は、軽減税率の適用対象となりますか。
【答】
「食品」とは、人の飲用又は食用に供されるものをいいますので、人の飲用又は食用に供されるものであるいわゆるミネラルウォーターなどの飲料水は、「食品」に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。
他方、水道水は、炊事や飲用のための「食品」としての水と、風呂、洗濯といった飲食用以外の生活用水として供給されるものとが混然一体となって提供されており、例えば、水道水をペットボトルに入れて、人の飲用に供される「食品」として販売する場合を除き、軽減税率の適用対象となりません。
ミネラルウォーターは対象で、水道水は対象外
つまり、
水道の蛇口に浄水器をつけて飲料用としている我が家は、生活用水を飲んでいるということになるわけですね。
(別においしく飲めてるからいいけど。)
しかも、水道水をペットボトルに入れて販売する場合って…、例えが強引すぎやしないかい?
【問37】
ファストフード店において、「テイクアウト」かどうかは、どのように判断するのですか。
【答】
ある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいますが、いわゆる「テイクアウト」など、「飲食料品を、持ち帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡」(以下「持ち帰り」といいます。)は、これに含まないものとされています。
事業者が行う飲食料品の提供が、「食事の提供」に該当するのか、又は「持ち帰り」に該当するのかは、その飲食料品の提供を行った時において、例えば、その飲食料品について、その場で飲食するのか又は持ち帰るのかを相手方に意思確認するなどの方法により判定していただくことになります。
学生時代にモスバーガーでアルバイトしていた頃、既にイートインで注文を受けたお客様から、会計後に
「時間がなくなっちゃったから、やっぱりテイクアウトに変更して」
と言われることがありました。
(モスは注文を受けてから調理しますからね。)
このようなケースでは、相手方の意思確認を行う「提供を行った時」を「会計時」とするか「商品の引き渡し時」とするかで判断が変わってくることになります。
後者の場合ですと、厳密には差額の2%分をお返しするなんてことにもなるのでしょうね。
(頑張れ、モスの後輩)
【問38】
当店では、顧客が注文した料理の残りを折り詰めにして持ち帰らせるサービスを行っています。この場合の持ち帰り分については、軽減税率の適用対象となりますか。
【答】
軽減税率の適用対象とならない「食事の提供」とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいい、「食事の提供」に該当するのか、又は「持ち帰り」となるのかは、その飲食料品の提供等を行った時点において判定することとされています。
したがって、ご質問のような、その場で飲食するために提供されたものは、その時点で「食事の提供」に該当し、その後持ち帰ることとしても、「飲食料品の譲渡」に該当せず、軽減税率の適用対象となりません。
よくコーヒーショップで
テイクアウト用の容器でもらって、店内で少し飲んでテイクアウト
ということをやりますが、これも判断が難しくなりそうですね。
テイクアウトに見せかけて、店内を利用する輩も出てきたりするのでしょうか?
消費者や事業者が商品の購入や販売の際に判断に迷わないようにするためのQ&Aのようですが、まだまだ実務レベルでは不明瞭な点が多いですね。
ここにきて、引き上げ自体が行われるかも微妙な状況になっていますので、しばらくはその動向から目が離せません。
私が所属するのは↓
HOPグループ
-HOPグループ-
税理士、社労士、司法書士、行政書士が集い、中小企業のかかりつけ医として、起業から事業承継、相続対策など幅広くサービスを提供します。