広野町の現状 | 東海林 順の一人旅

広野町の現状

先日、所用でいわき市まで行ってきました。

んで、時間があったので

現在、常磐線の最北端の駅になっている(かつては仙台まで行けた)

広野駅まで行ってみました。

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駅舎はちゃんとしているように見えましたが

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電車の入ってくるホームは仮設感溢れる作りのまま。

撮影している間に電車が入ってきました。

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広野町では常磐線の路線を境にして

被害状況がはっきりと分かれます。

常磐線より東側、つまり海側。

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グーグル先生の衛星写真で見てもよく分かります。

ざっと歩き回ってみた感じでは、水の被害は常磐線より東側だけ。

常磐線も路線や駅舎に被害を受けていましたが、現在は復活しています。

広野町といえば、3月1日に役場機能を元の場所に戻したばかり。

今後避難指示を解除して住民の帰還を呼びかけるようですが

全人口の殆どがいわき市に避難しており、現在帰還している住民は300人に満たないという。

たしかに歩き回っている間、駐在さんと5台ほどの車としか会わなかった。

6号線はF1 に向かうと思しきバスや警察車輌が頻繁に通っていたが

それ以外の場所では物音もしない。

ただ遠くから波の音が聞こえてくるというなんとも表現しにくい状況。

私は広野町について詳しく知っているわけではないのですが、

帰還を即すといっても、難しいのではないかと思いました。

例によって役場付近には線量計と掲示があるのですが、

空間線量が0.3μSv/h ・・・

おらが村の空間線量の5~10倍。

地理的に見てみると住宅地が多いおらが村と違って山林が半分以上。

まず住宅地の除線が必要ですが、その何倍かの面積が山林なので風雨などにより

住宅地のどこかにホットスポットができる事は必至。

除線とホットスポットのいたちごっこはしばらく続けざるを得ない。

って、これは東日本ならどこでもそうか。

そして現在帰還しているのは本来の人口の1割に満たないという現実。

不安で帰ってこれないのであればなんとか対応のしようがあるのでしょうが、

避難先で既に生活の基盤ができているという理由であれば

帰還を強いることになるわけで、これは人道上許されるのか・・・

そして役場は帰っても、その他の企業や職場が帰ってくる保証が無い。

広野町で生活できる社会環境が整備できていないというところに問題点があるわけです。

しかし、自治体の基本は住民がいることです。

その逆は本来、あり得ない話です。

住民がいないことには自治体としての体を成していないということになるわけです。

やはり住民の帰還を即す必要があるわけですが、

そのためには除線と社会環境の整備、

つまりインフラ整備を同時進行で行わなくてはなりません。

にもかかわらず地方自治体の大半は財政面で厳しい現状にあり、

とても同時進行をこなせるだけの人員確保も財源負担も期待できそうにありません。

では座してただ滅びを待つしかないのか、という気になりますが

ここで知恵を出して乗り越えてきたのが人間です。

とはいえ、人間であるはずの私には妙案が浮かんできません。

せめて優先順位をつけて必要なことから順番に進めていくしかない、という

なんとも情けない話に落ち着いてしまいます。

んで、現在の最優先事項は除線でしょう。

環境省の公開した除線ガイドラインはまだ頼りないですが

ざっと見た感じではそれなりにまともなことを書いているように見えるので、

コレに沿って進めていくほかないでしょう。

モデルケースに該当する地域以外は柔軟に対応する必要がありますが、

現在できることというと、そのくらいしか無いというのが実情です。








そして一方、北の方に目をやってみると・・・

流石に福島第一原発は見えませんが、現在火力発電所がフル稼働中。

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こんな被災地でもせっせと発電して東京に電気を送っているんですね・・・

なんだろうな、何か違う気がします。

こう、言葉では言い表せない何か・・・