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ラッパの音量とはいかにあるべきか

どうもラッパは野球の応援やらなにやらで、とにかく「音のデカい楽器」というイメージが強い。これにハイノート指向が加わると、「デカい、高い」というのが凄いという世論が醸成されて、なんだか巨根願望みたいになるから始末に困る。

ところでこんな映像がyoutubeにある。
http://jp.youtube.com/watch?v=JwBHhK7k5Q0
Wynton MarsalisとDoc Cheathamのプレイ。1994年ってあるから、ドクはこの時89歳だった。

どう?ウィントンも別に抑えて吹いているわけでもないし、ドクと互角でしょう?私は95年にドクの90歳のバースデイギグをNYCで見ていますが、彼がとりたててラウドだというわけでもなかったです。実にチャーミングな音楽でした。

そう。普通にmfくらいのボリュームで吹けば良いのです。どうしても向こうの人のライブとかではPAで持ち上げられてしまい、もの凄いパワフルに聞こえるのですが、現場は違うんですね。これはラッパという楽器に対してあるイメージによる錯覚なんです。特にアマチュアの方に顕著ですが、基本的に日本のブラスプレイヤーの音量はちょっとラウドに過ぎる感じがします。

ラッパを吹くというと、

大抵の方から「肺活量要るんでしょう?」って聞かれることが多いし、楽器を始めたばかりの人からもそういう言葉が聞かれることがあります。

人並みの肺活量があれば充分なんです。

もしラッパの技量と肺活量が比例するのであれば、世間で名手と呼ばれる人の多くが大きな胸郭だったりするわけですが、そんなことは全然ありません。それに循環呼吸をマスターしてしまえばブレスしないで延々といけるので、肺活量の大小なんて関係なくなります。

大事なことは自分の呼吸器官の効率をできるだけ良い状態にしてエアをコントロールすることなんですね。

昨日乗り合わせた電車のご老人がいたので子供に席を譲らせたのですが、その方が楽器のケースらしきもの、しかもどちらかというと和楽器のものを持っていらっしゃったので、「大正琴ですか?」と振ってみたら笙でした。竹の部分は和竿の職人さんが作られたというもので、飴色の竹の風合いが見事でした。こういう状態の竹をこれだけそろえるのは相当大変だなぁ、と思いました。電車の中なのに小さな音で少しだけ吹いてくれたのですが、やっぱりいい音するなぁ。子供の目がキラキラしてました。笙のクラスターは美しいので、これ、なんとか使えないかなぁ、なんて思ったり。

いいもの見させてもらいました。