Mwandishi Band | music-geek

Mwandishi Band

ハービー.ハンコックが70年代初頭に組んだバンドでMwandishiというのがありました。個人的には大好きなバンドですが、世間ではヘッドハンターズを組むまでの過渡期、みたいな印象があるようですし、なんとなく中途半端な位置付けにあるような感じです。

個人的にはこのバンドはSpeak Like A Childの3管編成でエレクトリックを導入してフリーまで照準に入れたバンドと位置付けています。どちらのバンドでも演奏しているToysの演奏を比較するとそれが明瞭にわかる気がします。オリジナルはアコースティックなサウンドですが、Mwandishiではフェンダーローズも使っています。そうした映像を見るに、このバンドはSpeak Like A Childで組んだセクステットの延長だなぁ、とつくづく感じるのです。

 

6月にこれと同じ編成でライブをします。ハンコックの曲だけでは単なるコピーバンドに過ぎないのですが、ハンコックの曲の個性が強いので、他の作品をどう織り込むかは悩ましくて一度やってから長い間塩漬けにしていました。去年くらいにフェンダーローズの音色の特性を活かすとCTIのようなサウンドも作れることに気づいてやっと十分なレパートリーを構築することができました。エリック.トリュファズ的なミニマルなジャジードラムンベースをやってもなかなかにいい感じなのです。音楽というのは音のデザインなのですが、音色もまたデザインの一部であって、フェンダーローズの音色は他に変え難いものがあります。ジャズにおけるカバーってあまり良く言われないような気がしますが、音楽は音のデザインなので、オリジナルは尊重されるべきなのです。例えばクラシックでルトスラウスキーのパガニーニの変奏曲を聴くと、それはそれで面白いのですが、やはりオリジナルもあればこそ、なのです。ベニー.ゴルソンの書いたオリジナルなアンサンブルに手を入れてしまうと、もうそれはゴルソンハーモニーではないのです。あの響きを生音で楽しむならばアレンジはオリジナルに忠実なものでなくてはいけません。こうしたことが忘れられているような気がします。