ダイナミクスを味方につける | music-geek

ダイナミクスを味方につける

極めて個人的な見解ですが、日本の非クラシックなジャンルの音楽の音量のデフォルトは欧米のそらに比べてラウドなのではないかと感じています。バリー.ハリスのラージアンサンブルのリハーサルではビッグバンド+コーラス+ストリングという編成で生音でしたし、メル.ルイスは「演奏していて全員の音が聴こえなければ、それはキミがラウドすぎる」と言っています。音楽の現場でも自分が聞こえないとモニターの返しを上げることが一般的で、「どの楽器を基準としてアンサンブルを作るか」という視点が抜けています。昔の演奏動画を見ていると、密集して生音でやっていることがよくわかりますし、マイルスにしてもブレイキーにしても、「抑えるべきところは抑える」ができているように見えます。再生装置で好きな音量で聴けることが仇になっていて、「その録音はどのくらいのダイナミクスでえんそうされているか」が忘れられている感じです。私がジャスでアンサンブルをやる時の基本的なコンセプトは「ピアニシモを綺麗に響かせる」ことです。音を押し付けないためにPAは極力使いませんし、アンプを使うのはギターくらいです。音量を増幅する装置を使うと、ピアニシモで演奏することが極めて困難になります。ラウドに吹くと、同じフレーズでも粗く聴こえてしまいます。その辺りの視点が抜け落ちているように見えるのです。ダイナミクス、大事だと思います。