楽器を吹くのには少しのエアで充分。
管楽器、特にトランペットでは「エアを使え!」とよく言われます。そうすると、相当数の人はエアの「量」に目が行ってしまっているように思われます。これ、量の話じゃないんです。
循環呼吸のことを考えるとよくわかります。
循環呼吸は頬にエアを貯めてそれを絞り出す間に鼻からブレスを取る技法ですが、頬に入るエアの量なんてタカシレですよね?大量にエアを使う吹き方では循環呼吸はできません。ここからも量の問題でないことがわかります。
ではクラークのエチュードやキャット.アンダーソンのSilent Gではどうでしょうか?
これらは最小の音量でワンブレスでできるだけ長くやることが要求されています。私はSilent Gはワンブレスで1分吹いて30秒のインターバルで20分をデフォルトにしているのですが、私の肺活量が4200ccとすると、吐き出すエアの量は70cc/秒です。例えばくしゃみをするとエアは1秒かからずに大半を吐き出すことができますが、仮に少し長く取って2秒とするとエアの量は2100cc/秒になります。くしゃみするのの1/30のエアの量で充分なのです。
つまり量を使うのではなくて、エアの圧やスピードなどの「使い方」なのです。昔、ボブ.リーヴスは「楽器を吹いている時にエアは動いてない」と言ったことがあります(昭和の人は金沢明子が口の前に蝋燭を置いて歌っても炎が揺れない映像を見たことがあるかも)。ボビー.シューは「楽器を吹くプロでない奴の言うことなどアテにできるか」と一蹴しましたが、この禅問答みたいなところに折り合いを付けられるポイントが答なのだと考えています。