マイルス.デイヴィスの発言を検証する(1) | music-geek

マイルス.デイヴィスの発言を検証する(1)

今年はマイルスの(コルトレーンもだけど)生誕100年なので関連で色々なことがあると思います。彼は間違いなくジャズ史における巨人ですが、その発言が都市伝説化してしまっているものが多いように感じられるので、個人的な解釈をしてみようと思います。まず最初に取り上げるのはこれです。

「オレは昔と同じことはしない。」

この言葉から「ジャズは同じことをしてはいけない」という誤解が拡散しているように思えます。彼が「同じことをしない」と言ったのは「トータルなバンドのサウンド」のことでしかないと思われるのです。60年代のあのクインテットのライブアルバム群でのレパートリーの少なさ(スタジオ録音は除く)、主にブルースでのドラムソロへの受け渡しのキメなど、案外同じパターンが見受けられるのですが。晩年のドキュメンタリーでは「クリシェを覚えろ。決まりきったやり方を覚えておけば、メロディは自然に湧いてくる」とも発言しています。同時に「オリジナルなスタイルを作るには時間がかかる」とも発言しています。一見矛盾していますが、スタイルを築き上げるにはクリシェ的なものは必要だけど、それをバンドの中でマンネリにしないこと、と読めば納得できる話です。ジャズ好きな方は贔屓のミュージシャンがお馴染みのフレーズを出すと盛り上がりますよね。自分のトレードマークなフレーズはあって当たり前なのです。この辺りに様々な曲解があるように思えてなりません。