マイクを通すと失われるもの
学生最後の年か卒業して最初の年くらいの時にFrank Wess/ Harry Sweets Edison Big Bandを見ました。それまでもジャズフェスとかでいくつもビッグバンドは見ていましたが、今まで聴いたものとは違うブラスのキラキラした音色がとても印象的でした。何故違うのかは当時気がつけませんでした。かなり年数が経過して、その時の映像がyoutubeに上がっているのを見つけました。彼らは生音で演奏していました。それを見て気がつきました。
マイクで拾って増幅した音は楽器本来の音色を毀損する、と。
つまり、マイクを通して「スピーカーから出てくる音」は「楽器本来の鳴り、もしくは音の波形が別のものになる」ということです。楽器そのものの音が聴けないんです。考えてみれば、ビッグバンドであれば、17人が吹いている楽器の音と(もちろん生音も相当程度は聴こえているかも)マイクを通してPAスピーカーという2つのデカいスピーカーから出る音は別物になるのは当たり前のことなのです。生音で聴けないんだったら別にライブで見る必要なんかないのではないでしょうか?極論すれば当て振りでさえ構わない。まぁ、そうしたら日本のアイドルポップみたいになるけど。
マイクで拾ってPAで持ち上げる意味って何でしょう?まぁ確かに人気が出て大きな会場でやるのであればそういう装置は必要かもしれません。でも生音そのもの(ヴォーカルだってそうだ)の本来の魅力ってのがライブの現場で伝えられなくなって久しいのではありますまいか。
そんなことを考えていますが、私が仕切るバンドは基本生音で9年目になりました。