カラオケ型社会ではなくアンサンブル型の社会を。
昨今の日本の社会的状況とか、ネットでの様々な言論を見ていて感じるのは「カラオケ歌ってるのを聞かされてるみたいだなぁ」という感じです。作られたトラックの中で何も考えずただ自分の言いたいことだけを大声でがなりたてるだけ。他人の立場になったらどうなのか?という意識や今ある環境はどうやって構築されているのか?ということに関することの思考は皆無なんです。
他方、複数の人間で音楽を作るアンサンブルの現場で一番大事なことは周りをよく聞くこと、なんです。自分の演奏しているパートが音楽全体の中でどうワークしているのか、音楽全体を美しく響かせるためにどのくらいのバランスであるべきなのか、を常に考えていないと良いアンサンブルは作れないんです。近年の日本の社会の状況がギスギスしちゃった感じになっているのは、自分を主張するだけのカラオケ型の人が多くなって、全体を俯瞰してバランスをとるアンサンブル型ではなくなっているからではないかというように感じられます。
音楽の現場も似たようなものではないかと。大きな会場の現場に行くとアンプで持ち上げるのが前提なのはわかるんですが、周りが大きくて聴こえないから自分の音を返して欲しいって全員がやるので中音も爆音になっちゃって挙げ句の果てには耳栓して演奏する人までいる、と。本末転倒も甚だしいです。押すばかりで引くことができないんです。メル.ルイスの金言で、もしバンドスタンドの中で全員の音がきちんと聞こえてなかったらそれは君がラウドにやりすぎなんだ、というのがあります。今の日本には社会にも音楽の現場(全てとは言わない)にもこれが欠如しているように思います。上手なアンサンブルを作ることはいい社会を構築することと似ています。音楽を学ぶ意義はここにもあると思います。
多分、日本の政治家とかにアンサンブルやらせたらものすごく下手くそなのではないかなぁ、と思えてなりません。