ケニー.ドーハムについて | music-geek

ケニー.ドーハムについて

ケニー.ドーハム(以下KD)はその業績の割に全然評価されないミュージシャンの筆頭格だと思います。ビリー.エクスタインやディジーのビッグバンドを皮切りにパーカーと共演し、初代メッセンジャーズのラッパを務め、クリフォードが亡くなった後釜でマックス.ローチのバンドに入り、50〜60年代にブルーノートを軸に多くのアルバムを残すという錚々たる実績があるのになぜか地味なのです。四ツ谷の後藤さんがKDを「愛すべき二流」って形容したけどとんでもない話というか見当違いも良いところなのです。プレイのスタイルとしてはジャズトランペッターでいわゆるコンディミ系のフレージングを多用したパイオニアの1人でもあります。ジャズトランペットの音色って2つの傾向があって、一つはシェイヴァースやナヴァロやクリフォードみたいなブリリアントなものと、もう一つはあまり倍音を含まないコンパクトなものがあって、マイルスやKDは後者のタイプでした。故に「音が良くない」と言われたりもしましたが、Quiet KennyのMy Idealではバゲットミュートを使っていることを指摘した評論家はゼロです。
また、作曲家としても素晴らしい才能があって、シャンソンを捻って作ったBlue Bossaを筆頭に良いものが多いです。Tom HarrellはKDをめっちゃリスペクトしてて、時々自分のバンドでもとりあげますし、昔東京で一緒に吹いた時もprince albertをやりました。
今年生誕100年なのに誰にも何にも言われないのもなんだかもったいないですね。
ということで、KDがラッパとテナー両方持ってる写真をアップします。
KDにもっと光を。