英語の時制のレイヤーはねじれない。 | music-geek

英語の時制のレイヤーはねじれない。

いい歳をして英語の学び直しをしています。既存の日本語で書かれた参考書は昔勉強したのとほぼ一言一句変わってなくて用語や説明が無駄に難しいのが多いので、英語で書かれたものを並行して読んでいます。
アカデミックな根拠があるかどうかわかりませんが、英語の時制は3つのレイヤーでキレイに別れています(2つという学説もあるみたいですが私には3つに見える)。
つまり、「現在」、「過去」、「大過去」の3つです。「大過去」は「過去形で表現されていることよりも古いことをいう」時制の用語です。例えば、
I showed him a video which I had recorded in New York.
という文章みたいに、ビデオを見せたことよりビデオを録画したことの方が古い話なので、こうすることでここの時制の落差がはっきりするわけです。

未来の表現は全て「現在時制」で書かれています。助動詞の"will"は意思を表す助動詞の「現在系」です。過去形に"would"があることからも明白です。だから「未来時制」という表現は誤謬と考えています。英語の時制はねじれません。
日本語で書かれた参考書で「時や条件を表す副詞節では未来のことでも現在形」という表記があって、あたかも時制が捻れたような印象を受けますが、willは現在形の助動詞なので、そうした文では「現在形で時制は一致」しています。ここに気がつくと、仮定法も時制の一致した文章であることがわかります。日本では文部科学省を筆頭にして「英語を使えるようにしよう」と躍起ですが、戦後ほとんど、いや、戦前からほとんど改訂されないような参考書を使ってることに違和感を感じてない時点でアウトだと思います。