ネイティブな発音にこだわるより大事なこと | music-geek

ネイティブな発音にこだわるより大事なこと

どうも英会話を勉強してると「ネイティブみたいな発音」ができることが理想、みたいな感じになっちゃうことが多いですよね。ネイティブったって、東海岸と西海岸で違うし、個人的にはテキサスの英語難しいし、アメリカとイギリスで全然ちがうわけで何を持ってネイティブっていうの?っていうところに疑義があります(イメージとしてはアメリカ東海岸的な発音なんだろうけど)。一方、アメリカに長く住んで活躍している日本人の方でもカタカナ英語の方は結構します。例えば数年前にノーベル賞を取った真鍋先生。あの人アメリカの大学で長いこと教えてますが、堂々たるカタカナイングリッシュです。それでも多くの学生が彼から学んでいます。真鍋先生の英語の素晴らしいところは「文を切るポイントが素晴らしく上手」ということです。ものすごくわかりやすいです。もう一人取り上げるとジャズピアニストの龝吉敏子さん。彼女も60年以上アメリカ暮らしで結婚2回してるけどパートナーはどっちもアメリカ人なのにカタカナ。あ、先日亡くなった小澤征爾さんの英語も全然ネイティブじゃなかったですよ。でもそれでいいんですよね。だって言語なんてコミュニケーションのためのツールに過ぎないから。そもそもニューヨークあたりだとネイティブなアメリカ英語が聞けるのはせいぜいホテルくらいなもので(安ホテルだとスタッフの裏方での会話はスペイン語だったりするのもまたよくある話)、タクシーなんて乗ろうものなら運転手の大半はインドとか中近東とか色々なところの移民なので、そこにはネイティブイングリッシュはありません。国連の演説をニュースなどで見るとよくわかりますが、色々な国の人が自国語に引っ張られた英語の発音なので、むしろ綺麗なアメリカンやブリティッシュの英語の発音の方が少数派ではないかと思われます。発音云々なんかより本人の伝えようとする意志の強さが大事と思います。発音なんか二の次で良いのです。私は管楽器でジャズをやるので、楽器を吹く時のアーティキュレーションが非常に大事なので、できるだけアメリカンイングリッシュの発音に寄せようとしています。自信はあんまりありません。でも例えばシングルタンギングの"T"の発音って日本語と英語で違うので、日本語の感覚で演奏してると現地の人とアンサンブルやグルーヴに微妙な差が出るんです(方言の違いみたいなものですが)。だから演奏家としてはここはきちんと押さえておかないといけないところなのです。だから発音には気をつけてるし、現地では大抵「お前こっちに住んだことあるだろ?」って言われるので、海外在住経験無しにしては(在住経験ありの人と比べても)良いのだと思います。でも疲れてる時とか飲んでる時はかなりカタカナになります。でも困りません。単なるコミュニケーションの道具に過ぎないから。ここでも日本人お得意の「間違えたら恥ずかしい」という強迫観念で損してると思います。

逆を考えたら簡単です。あなたの身の回りで外国人とわからないくらい見事な日本語を話す外国の人ってどれくらいいますか?

ってこと。

発音より大事なこと、ありますよ。発音に必要以上に振り回されるのは、損です。