形容詞って何よ? | music-geek

形容詞って何よ?

いい歳をして英文法の学び直しをしてるんですが、日本語で書かれたる英文法の参考書がツッコミどころ満載なのです。大体が書かれてからほとんどアップデイトされていない(少なくとも戦後は改定されていないことが昭和10年の谷崎潤一郎の文章読本から伺える)のです。色々腹立つ表現の中でトップクラスなのが「形容詞」という文法用語。これ、英語ではadjectiveって表現されます。つまりsubjective(主語)やobjective(目的語)につくもの、という意味です。これは国文法では「連体詞」です。日本語で言う用言としての形容詞はbe動詞とセットになって初めて述語としてワークします。今の英文法の参考書のベースになってるのは120年くらい前の本らしいですが、それを翻訳した当時の言語学者には敬意を表すとしても、こうした情報をアップデイトできない日本の英語の研究者にはつくづく反吐が出ます。私見ですが、既存の日本語で書かれている英文法の本では「Be動詞は日本語に存在しない仕組み」すなわち、言語の述語(用言)が動詞でなくてはならない欧米言語とそうでない日本語の違いを理解できてないんです。この問題が分詞の説明とか目的格補語とか状態を表す表現全体に影響して理解の足を引っ張ってるように見えるんです。分詞の限定用法とか叙述用法とか大笑いです。

分詞は動詞を活用して動作状態を表す形容詞(連体詞)としたものです。だから限定用法では形容詞と同じように

Look at the cute dog.

Look at the sleeping dog.

ってできるんです。この時のcuteもsleepingもdogを形容してるから限定用法と定義されたようです。これは形容詞(日本語文法の連体詞)の極めて普通な使い方です。分詞は動詞を活用して形容詞にしたものだから形容詞の使い方に準じます。では叙述用法。

この「叙述用法」なる文法用語が意味不明すぎるんですよね。常々書いてる「Be動詞の説明の下手さ」がこう言うところに響いてるんです。日本語の文法で述語が動詞以外のもの、すなわち状態を表す文の説明が酷いのです。

分詞は動詞を活用して「動作状態を表す形容詞(連体詞)」になっているものです。だから

He sat watching TV.という文章は「彼はテレビを見ている状態で座っていた。→彼は座ってテレビを見ていた」

となるに過ぎません。

今の英文法の本を翻訳した当時の(明治時代?)人々にここの気づきが欠如していることが文法書を難解にしている大きな理由の一つだと私は確信しています。