現代医学はヒトをメカとして見ている?
先日父親が老衰で亡くなりました。最後の2ヶ月くらいは例えが適切かどうか分かりませんが、劇症のALSみたいな感覚を覚えるくらい運動機能の低下が凄く、最後は筋肉や脂肪などエネルギーとして使えるものを消費し切って亡くなったという感じでした。
甲状腺機能低下と鉄欠乏症貧血があったので、処方されていたのは鉄剤とホルモン材でした。足りない物を外部から投入して設備を維持しているような感覚を覚えました。衰弱していく感じも段々コンタクトが難しくなってるボイジャー1号のようでもありました。
自分も自分で、区の健康診断で引っかかって人生初の大腸内視鏡検査を受けることになりました(父の逝去と被って半月遅らせての検査となりました)。検査映像をリアルタイムで目の前で見ることができるのですが、1960年代のSF映画にあった「ミクロの決死圏」をリアルで見ているような気さえしました。結局ポリープを5個取りましたが、内視鏡のモニターを見ながらポリープを切除していく映像は、まるで深海探索船がマニピュレーターで外部の資料を採取しているようで、一般的な医療手術のイメージとはかけ離れていました。自分の腸内の映像見ながら「あー大腸って見た目ホルモンだなあ」などと思ったりもしておりました。
父の最後の数ヶ月での医療のあれこれやら自分の体験、医学生の姪の話しなども聞いていると、現代医療って、生命体を扱うというよりは、高分子有機化合物の集積体であるヒトというメカを扱っているかのように思えてきました。昔は「医は仁術」って言ってましたが、多分今は違うのではないかな、という気が強くしました。というかこの数ヶ月の身の回りのあれこれを通じて「ヒトって案外メカっぽいのでは?」と考え始めてしまいました。