音楽理論と調律と響きのことなど | music-geek

音楽理論と調律と響きのことなど

多少推測入れながら書きます。今のいわゆる音楽理論ってバッハの時代の平均律以後の調律がベースになっているのではないかと思います。ものすごくざっくり分けると、平均律と純正律ってのがあって、純正律は確か倍音を基準に調律されてて、転調するとピッチがガタガタになっちゃうはずです。他方いわゆる平均律は1オクターブ12音を均等に割った周波数を当てはめるので、転調してもダイアトニックスケールのピッチはブレないものです。平均律は機械的に12分割することで転調の自由を得た代わりに響きを損ねました。オーケストラで稀に神がかった演奏が出たりしますが、もしかしたらそれは純正律的にあった響きが多かったケースなのではないかと感じたりするくらいです。ピアノが入ってなければオケの楽器は全て純正律で弾くことも不可能ではないですから。だから最近の若い子が楽器にチューナーつけて個別の音のピッチを気にしてますが、平均律的に合うことは響き的に正しいことを意味しないので、あれは無駄にしか見えないというかある意味弊害が大きいと思います。バロック時代には他にも様々な調律法がありました。例えばミーントーン。これは完全3度をベースにした調律法で、これで調律をするとD#とEb, G#とAbは違う音になります。なので、この音では鍵盤が2分割されててD#とEb, G#とAbの鍵盤を使い分けることになります。そうすると、どのパターンだったか忘れましたが、この音域で全音階のピッチがかなり離れるところがあって、むしろ中近東に近いエキゾチックなサウンドを感じられたりします。そんなわけで調律方法によっていわゆる西洋音楽でも様々な響きがあるので、あんまり厳格に理論に従わなくても良いのかな、という気もします。ジェイコブ.コリアーはこの辺りをうまく使っているのではないかなぁ、とも感じます。

 

現在の調律で物事を考えるならば、既存の理論はイオニアンスケールで考えられていますが、5度環で考えるとCGDAEBときてF#にならずにFになることでディソナントが発生するところをどう上手い事やるか、の話になるような気がしていて、そこでCGADEBF#と並べてリディアンスケールにして考えるというのをジョージ.ラッセルが提唱したように思えます。私は素人独学なので、既存の理論とLCCの間にある4thと#11の間のあたりとか、数字で考えると13のインターバル、すなわちb9のインターバルが12と13の倍数的に非常に遠くなる事、あたりに一つ大きな壁があるんだろうな、と。なので、平均律中華思想的に音楽理論で云々する気にはあまりならないのです。調律を変えると響きがどうなるか、というのがyoutubeにあるので貼っておきます。