日本の英語教育がちゃんと教えていないこと(4)時制 | music-geek

日本の英語教育がちゃんと教えていないこと(4)時制

日本の英語の文法の参考書には英語のサイトを見ると誤謬であることがはっきりわかるものがありますが、この時制の問題は典型的な例です。日本語の参考書では「時や条件を表す文では未来のことでも現在形を使う」ということが書かれています。中2でやる

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みたいなヤツですね。でもケンブリッジのウェブサイトに行くとはっきりこう書かれています。

 

There is no future tense in English. We use several different ways to talk about the future.

って書いてありますよね。

つまり、上に書いた中2の文章、これって現在時制で一致してます。助動詞"will"は「行う意思があることを表す『現在形の助動詞』」なのです(過去形にwouldがあるのだから明白です)。ここに気がつくと、仮定法過去や仮定法過去完了はいずれも過去と大過去で時制は揃っていますし、英語の時制そのものが3つのレイヤーでオプション的なことはほぼ何もなく綺麗なレイヤーになっていることが理解できます。時制はねじれていないのに「未来のときでも現在形」とかいう誤解を与える表現が改訂されることなく生き続けています。参考書によっては「未来時制」なんてワードもあります。こういうことにいくつか突き当たってからは日本語で訳のわからないことが書いてあるときには英語で書かれた文法参考書を当たることにしました。その方がわかりやすいんです。