ジャズのアドリブはまずはピアノの白鍵の音だけでも十分! | music-geek

ジャズのアドリブはまずはピアノの白鍵の音だけでも十分!

ジャズのアドリブって別に難解でもなんでもないんですよね。シンプルで奥がすごく深いんです。会話みたいなものでもあるので、早口である必要なんか全然ないし、むしろ訥弁の方が説得力があったりします。なのですが、多くの方が理論にとらわれすぎて「木を見て森を見ず」な状態に陥ってしまうように感じられます。ジャズの和声などのいわゆる理論はクラシックのそれがベースになっています。クラシックの音楽異論っていうのはドイツ〜オーストリア音楽の和声の理論、すなわちピアノの白鍵で作られる非対称な並びの7音スケール(イオニアン)の機能性がベースになっています。モードジャズとかでドリアンとかいうのは白鍵をレから弾け、というだけの話です。だからまずはピアノの白鍵に乗っかってる音だけで演奏すれば破綻は少ないんです。これはマイルスのSo Whatのソロを聴けばご理解いただけるはずです。まずはそこの感覚を知って徐々にクロマチックなアプローチとかを試せば良いと思うのです。チェット.ベイカーの若い頃のアプローチは非常にダイアトニカルでシンプルでわかりやすいものでした。面倒に見えるのはダイアトニックは非対称な並びのパターンのスケールなので、最終的には全てのキーでできるように覚えないといけないことくらいです。アウトに演奏したいというのであればどこまでがインサイドなのかについて十分な知識を得ることが先で、そこにないことをやればアウトします。youtubeに音源がありますが、ずいぶん昔にタモリが「誰でもできるチック.コリア」っていう芸をやりました。そのキモは「白鍵だけを弾く」ことだとタモリ本人が喋っています。そういうことです。

 

ジャズインプロビゼーションは会話みたいなものなので、ヘタクソだろうがなんだろうがやらないと上達しません。その間違え方すら個人差があるし、実際に演奏して「あーこれアカン奴や」という「経験」がないとダメです。ゲームやスポーツが上手くなるために試行錯誤や失敗はむしろ必須なのに、外国語会話やジャズインプロヴァイズでは何故かそうなりません。ゲームやスポーツに比べると羞恥心的なものを感じやすいからかもしれません。私はジャズインプロヴァイズと外国語会話で日本人が躊躇して逃げてしまうロジックが同じだなぁ、ということに気がついて音楽理論や英文法の学び直しを楽しみながらやってるわけですが、この日本人の学びと自己表現における羞恥心を言い訳にした逃げが実に残念なのです。外国の人が街中で英語で何かを訪ねて来た時、もしくはたどたどしい日本語で何か訪ねて来た時、大半の人は頑張って理解してあげようってすることができるのに、何故かその逆が容認できないんです。ワザとインチキやるのは論外ですが、まずは自分のできることを誠実にやることを積み重ねていけば良いのではないかと考えています。音楽理論と英文法、どちらも難解で敷居が高そうに見えますが実はそうではないと思います。