ジャズのアドリブって難しくないんです(奥は深い)。 | music-geek

ジャズのアドリブって難しくないんです(奥は深い)。

ジャズの最大の楽しみはアドリブ、すなわち曲のコード進行に合わせて即興で吹くことです。これがものすごく難しそうなイメージですし、理論なんかの本もたくさん出てい流ので敷居が高いイメージを持っている人が大半だと思います。でも決してそんなことはないのです。ジャズの話声の理論はクラシックの理論の延長線上にあるので、基本的にはダイアトニックスケール、つまりピアノの白鍵のスケールがベースになってて、そのスケールから派生する和声の機能性、みたいなことを掴めれば良いわけです(マイナーキーの曲であればメロディックマイナースケールのそれを考えないとなのですが、今回それは省きます)。基本ルールとしては「拍のアタマにコードの構成音が乗ってること」くらいでしょうか。ピアノの白鍵ベースで考えると、スケールの上で7つのコードを生成させることができます。Cmaj7, Dm7, Em7, Fmaj7, G7, Am7, Bφ7です。これらは既往で表記された音から一間飛びで4つの音を弾くだけなのです。黒鍵を触らないでこれができます。枯葉などいわゆるジャムセッションで初心者向けと言われる曲の多くはこの1つのダイアトニックスケールから派生したコードだけで曲が完結しているので、白鍵だけ弾いていればソロは破綻しないのです。これを拡大解釈してタモリ氏が昔「誰でもできるチック.コリア」と言うのをラジオでやっ他のがyoutubeに残っています。外国語会話の習得とプロセスは全く同じなので、まずは間違うことを気にしないでやってみること、が最初の大きな一歩になります。物事が上達する段階ってスポーツでもゲームでも全て同じで、ルールや原則を学び、練習して上手くなるものなのです。練習に間違いはつきものだし、間違ってみて初めてこれはダメなヤツだと認識できてそれを回避できるようになるわけです。もっと言うとその間違え方さえ個性であると言えます。難しいと言うか面倒なのは「ダイアトニックスケールは非対称なパターンのスケール」なので、全てのキーでこのスケールをできるようになることが求められることでしょう。実は非対称な並びのスケールだからこそ、4つのタイプの7thコードができるわけです。対称型のスケールだとどうなるか?例えばホールトーンスケールは全て全音のインターバルで構成されるものですが、12音を6等分しただけのものなので、 CとC#から始まる2つのスケールしかなく、一間飛びでコードを作るとどこから始めてもオーギュメントしか現れません。音楽が動きのない単調なものになってしまいます。非対称なスケールにこうした対称型のスケールを合成することで様々な面白いことができるのですが、そう言うものに振り回される前に白鍵でできることだけで色々遊んでみると良いと思います。若い頃のチェット.ベイカーのアプローチは実にダイアトニックなんですよ。ということで、リズムチェンジをスケール一本の上だけでやる、という動画を作りました(かなり前の話ですが)。

まずは簡単なところから始めてみましょう。