私は超人見知りである。
もう三年以上勤める職場にでさえいまだに慣れきれていない。
職場の人との会話だってまだ緊張するし、
自分から自分の事を話すなんて全然できない。
壁を作るから、周りも壁を感じて遠慮する。
わかってるんだけどね。どうにもこうにも。
だけどもそう。
映画館でたまたま隣に座った人を、その瞬間から知り合いだって思ったっていいじゃない。
だって何かしら縁があるはずだものね。きっとさ。
それならより深い関わりを持つ人達なんて、もっともっと強い縁があるってことで。
自分と縁で繋がった人達なんだもん、
それはもうまったくの他人なんかではなく、「縁がある」という何ものかを共有する仲間なのだ。
もっと甘えても、図々しくっても、自分を預けても、
もはや「縁がある」というたったそれだけでも、
前提を持つという事がすごく大きくて、
そう思うとなんだか何かしら心強い気がして。
「プール」も「かもめ食堂」も「マザーウォーター」も「めがね」も大好きだけど、
その一連の流れの中にあるこの作品はその中でも特に地味で、けしておすすめはしない。
けれど私が受け取ったメッセージは、
私の中でたまたま大きく響き、これから歩む道を、ほんの数ミリ動かしたかもしれない。
とにかく今、心の中で何やら温かいものが渦巻いている気分です。
まる。