これで5分の3が伝わったか パート1
小説を書くよりも恒例となってしまった感のいなめない、このコーナーを久しぶりにアップしてみました。
前回までで5分の2を伝えることが無事できましたので、今回でついにぼくの言わんとしていることの半分以上を伝えられるのかと思うと感無量です。
あまりに久しぶりのため僕自身前回までになにを伝えたかったのかも覚えていませんし、過去の自分の記事を読むのもなんかあれなんで、確認すらしていない状態ですが、結局「がぶ飲みしたいときー」みたいに「悔しいときー」みたいな話になってしまっていた(不本意)と思いますので、そのスタイルで今日もいかしてもらおうかと思っているのですが、よろしいか?
「気仙沼キャッツアイ」
それがおれたちのチームの名前だ。おっと、チームといっても誤解しないでほしい。都会の地面にたむろしているようなろくでなし共と俺たちは違う。酒とたばこは嗜むが、女やクスリなんぞは見向きもしねえ。俺たちは硬派な走り屋だ。
「せんぱぁーい、喉渇きましたよ。ちょっと休まないっすか?」
最近、走り屋に憧れているからという今時珍しい理由でうちらのチームに入ってきたカズオが早くも弱音を吐き始めた。舌打ちが漏れる。この根性なしが。まだ30分も走っていない。おれは最初っからこいつをいれることは反対だった。髪の毛も長いし、アメリカ野郎のような色してるし、なによりもこのへらへらとしただらしない顔が気に食わない。だらしない奴というのはそのだらしなさがくっきりと顔に浮かび上がる。他のメンバーにはそれが見えないようだが、おれには見える。そしておれの目に今のところ一度の狂いもない。
オフクロの新しい男もおれは一目で「こいつはとことんだらしないろくでなしだ」ということが分かった。まあオフクロもいい大人なんだから、そんなことてめえのガキに言われなくても、分かっているのだろうと思っていたが、オフクロはなにも分かっちゃいなかった。オフクロはてめえの店も、オヤジの保険金も全部そいつに毟り取られちまった。男はオフクロからすべて毟り取ると消えた。残ったのは商店街の奴らからの陰口と、借金だけだった。
それまでおれはオフクロを特別な人間だと思っていた。大きな失敗なんかするはずがない。これからも女手一つで店も商店街も盛り上げていき、勉強もせずにバイクばかり乗り回しているおれに文句を言ったりする、強くて、優しい人間だと思っていた。
だが、オフクロは腐った。熟れ過ぎたトマトみたいにグチャグチャに腐った。おれには「てめえの信念を曲げるような大人にはなるな」と昔から口すっぱく言っていたが、土壇場に立たされたオフクロはあっさりと信念を曲げた。商店街の連中に金を工面するため媚び諂い、てめえから縁を切ったはずの肉親にまで連絡を取り出した。
真っ黒だった髪に白いものが目立ち始めたと思ったら、急激に老け込んだ。とても40歳には見えない。腰は曲がり、顔は皺だらけになり、道路に座り込み、唾を吐くようになった。
オフクロのその変化が悲しかったし、むかついた。おれはもう高校にも通えなくなった。商店街の連中はあれだけオフクロに世話になったのに、手のひらを返し、冷淡になった。外では誰に対しても媚び諂い、家ではめそめそと泣いてばかりいるオフクロを見て、気付かされた。強くなんかない、馬鹿な女だと。皮肉なことに、このとき初めてオフクロを一人の普通の女として認識した。
そんなオフクロの件があってから、おれは顔のだらしない奴には近づかないようにしている。近づいたってろくなことがない。
だからこのカズオをチームに入れることには反対だった。こいつらは不幸の運び屋だ。必ず周りを不幸にする。高校のときの担任もだらしない顔をしていた。やはりこの男も他のクラスの女子を孕ませて、てめえの責任も取らずに学校を去った。残された女子も学校から姿を消した。退学になったとの噂だ。
だが、リーダーが連れてきた奴を、おれなんかがどうにかできるわけもない。「あいつはこのチームを不幸にする」なんて進言しても、誰も信用しないし、おれがおかしく思われるのが関の山だ。
休憩したいというカズオの意見が取り入れられて、みなバイクを止め、自販機でジュースを買ったり、タバコに火を付けたりしてくつろいでいる。おれもセブンスターに火を点け、深く息を吸い込んだ。星が手を伸ばせば掴めるのではないかと錯覚するほど、眼前に散りばめられている。もしかしたらおれはオフクロのことや、これから先に待ち受ける決して明るいとは思えない未来から逃れるために走っているのだろうか。そうなのだとしたらなんて弱い人間なのか。楽しいから走っているのではない。楽しくなりたいから走っている。ただの現実逃避でしかないのか。
いや、そうじゃない、と思う。そうじゃない。おれが3代目のリーダーに誘われて走り始めた頃は純粋に走りを楽しんでいた。オフクロも腐っていなかったし、学校にも当時は嫌々ながらも通っていた。あのころの自分と今の自分とで走ることへの気構えが変わっただろうか。いや、変わっていない。おれはまだ走りを楽しめているし、メンバーと過ごすこの時間を大切にしている。走ることの動機なんて考えたこともなかったが、楽しいから走っているんだ。もしもこれが嫌なことを忘れたいから走っているという動機に変わってしまったときは「気仙沼キャッツアイ」を去ることになるだろう。
ちょっと長くなりそうだから、いったんここで終わりますね。キャラが立ってしまって、自分の言いたかったこととどんどんかけ離れていってしまったんで。修復にまた時間がかかりそうだし、もう一つ例え話を考えていたのに、そっちまで手を回せそうもないです。
次書くまでに、最初考えていた落ちにどう繋げていくか考えときます。
ってか小説書けよな。まじで。
前回までで5分の2を伝えることが無事できましたので、今回でついにぼくの言わんとしていることの半分以上を伝えられるのかと思うと感無量です。
あまりに久しぶりのため僕自身前回までになにを伝えたかったのかも覚えていませんし、過去の自分の記事を読むのもなんかあれなんで、確認すらしていない状態ですが、結局「がぶ飲みしたいときー」みたいに「悔しいときー」みたいな話になってしまっていた(不本意)と思いますので、そのスタイルで今日もいかしてもらおうかと思っているのですが、よろしいか?
「気仙沼キャッツアイ」
それがおれたちのチームの名前だ。おっと、チームといっても誤解しないでほしい。都会の地面にたむろしているようなろくでなし共と俺たちは違う。酒とたばこは嗜むが、女やクスリなんぞは見向きもしねえ。俺たちは硬派な走り屋だ。
「せんぱぁーい、喉渇きましたよ。ちょっと休まないっすか?」
最近、走り屋に憧れているからという今時珍しい理由でうちらのチームに入ってきたカズオが早くも弱音を吐き始めた。舌打ちが漏れる。この根性なしが。まだ30分も走っていない。おれは最初っからこいつをいれることは反対だった。髪の毛も長いし、アメリカ野郎のような色してるし、なによりもこのへらへらとしただらしない顔が気に食わない。だらしない奴というのはそのだらしなさがくっきりと顔に浮かび上がる。他のメンバーにはそれが見えないようだが、おれには見える。そしておれの目に今のところ一度の狂いもない。
オフクロの新しい男もおれは一目で「こいつはとことんだらしないろくでなしだ」ということが分かった。まあオフクロもいい大人なんだから、そんなことてめえのガキに言われなくても、分かっているのだろうと思っていたが、オフクロはなにも分かっちゃいなかった。オフクロはてめえの店も、オヤジの保険金も全部そいつに毟り取られちまった。男はオフクロからすべて毟り取ると消えた。残ったのは商店街の奴らからの陰口と、借金だけだった。
それまでおれはオフクロを特別な人間だと思っていた。大きな失敗なんかするはずがない。これからも女手一つで店も商店街も盛り上げていき、勉強もせずにバイクばかり乗り回しているおれに文句を言ったりする、強くて、優しい人間だと思っていた。
だが、オフクロは腐った。熟れ過ぎたトマトみたいにグチャグチャに腐った。おれには「てめえの信念を曲げるような大人にはなるな」と昔から口すっぱく言っていたが、土壇場に立たされたオフクロはあっさりと信念を曲げた。商店街の連中に金を工面するため媚び諂い、てめえから縁を切ったはずの肉親にまで連絡を取り出した。
真っ黒だった髪に白いものが目立ち始めたと思ったら、急激に老け込んだ。とても40歳には見えない。腰は曲がり、顔は皺だらけになり、道路に座り込み、唾を吐くようになった。
オフクロのその変化が悲しかったし、むかついた。おれはもう高校にも通えなくなった。商店街の連中はあれだけオフクロに世話になったのに、手のひらを返し、冷淡になった。外では誰に対しても媚び諂い、家ではめそめそと泣いてばかりいるオフクロを見て、気付かされた。強くなんかない、馬鹿な女だと。皮肉なことに、このとき初めてオフクロを一人の普通の女として認識した。
そんなオフクロの件があってから、おれは顔のだらしない奴には近づかないようにしている。近づいたってろくなことがない。
だからこのカズオをチームに入れることには反対だった。こいつらは不幸の運び屋だ。必ず周りを不幸にする。高校のときの担任もだらしない顔をしていた。やはりこの男も他のクラスの女子を孕ませて、てめえの責任も取らずに学校を去った。残された女子も学校から姿を消した。退学になったとの噂だ。
だが、リーダーが連れてきた奴を、おれなんかがどうにかできるわけもない。「あいつはこのチームを不幸にする」なんて進言しても、誰も信用しないし、おれがおかしく思われるのが関の山だ。
休憩したいというカズオの意見が取り入れられて、みなバイクを止め、自販機でジュースを買ったり、タバコに火を付けたりしてくつろいでいる。おれもセブンスターに火を点け、深く息を吸い込んだ。星が手を伸ばせば掴めるのではないかと錯覚するほど、眼前に散りばめられている。もしかしたらおれはオフクロのことや、これから先に待ち受ける決して明るいとは思えない未来から逃れるために走っているのだろうか。そうなのだとしたらなんて弱い人間なのか。楽しいから走っているのではない。楽しくなりたいから走っている。ただの現実逃避でしかないのか。
いや、そうじゃない、と思う。そうじゃない。おれが3代目のリーダーに誘われて走り始めた頃は純粋に走りを楽しんでいた。オフクロも腐っていなかったし、学校にも当時は嫌々ながらも通っていた。あのころの自分と今の自分とで走ることへの気構えが変わっただろうか。いや、変わっていない。おれはまだ走りを楽しめているし、メンバーと過ごすこの時間を大切にしている。走ることの動機なんて考えたこともなかったが、楽しいから走っているんだ。もしもこれが嫌なことを忘れたいから走っているという動機に変わってしまったときは「気仙沼キャッツアイ」を去ることになるだろう。
ちょっと長くなりそうだから、いったんここで終わりますね。キャラが立ってしまって、自分の言いたかったこととどんどんかけ離れていってしまったんで。修復にまた時間がかかりそうだし、もう一つ例え話を考えていたのに、そっちまで手を回せそうもないです。
次書くまでに、最初考えていた落ちにどう繋げていくか考えときます。
ってか小説書けよな。まじで。